NTTデータと大和ハウス工業は、地域金融機関と共同で、住宅ローン業務のDXに向けた実証実験を、4月13日より開始する。
デジタルなどを活用した同実証実験では、住宅ローン申込人(以下、申込人)・住宅事業者・金融機関3者のコミュニケーションのデジタル化および申込情報の伝送に関する住宅ローン業務の効率化について検証。サービスのモックアップを活用して、事前審査から融資実行までのフローを再現することで、住宅ローンに関する情報伝達のデジタル化についての有用性・操作性を確認するという。
実証実験の概要は以下のとおり。
デジタルを活用したコミュニケーションの最適化
審査状況などを専用のWebページやアプリなどで共有し、リモート面談やチャットなどデジタルを活用したコミュニケーションを行うことで、電話対応に関わる負荷を軽減。3者間で発生するコミュニケーションを最適化し、申込人のフォローやサポート時間を創出するとともに、利益成長の実現を目指すとしている。
申込人・住宅事業者・金融機関の負荷を軽減
NTTデータが開発した行政機関と金融機関をつなぐ預貯金照会電子化サービス「pipitLINQ(ピピットリンク)」の情報伝送機能およびネットワークを活用。住宅ローン申込に関する情報を複数の金融機関と連携することで、申込書を複数枚記載する手間を省く。また、1回の入力で複数の金融機関へ情報を伝送することで、申込人や住宅事業者、金融機関の負荷も軽減するという。
申込人の手続き負担および金融機関の審査負担を軽減
マイナンバーカードおよびマイナポータルAPIの活用により、住宅ローン情報の自動入力が可能となるため、申込人は手書きでの申込書の記入やスマートフォン・タブレットなどでの入力作業が不要。また、金融機関は正確な情報を受領でき、申込内容の確認などの作業が不要となるため、負荷の軽減につながるとしている。
両社は今後、住宅ローン業務におけるDX化の推進に取り組むとともに、同構想に賛同する住宅事業者および金融機関を募り、業務効率化や生活者の利便性向上を目指す。
将来的には、マイナンバーカードを活用した個人属性情報や公的書類の連携、住宅事業者の顧客管理システムとの連携、損害保険会社と連携による火災保険販売のデジタル化など、住宅ローン業務に関する総合プラットフォームへの拡張を目指すという。