ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、「Yahoo!ニュース」が提供する「Yahoo!ニュース コメント」(以下、コメント欄)において、より多様な意見が上位に表示されやすくなる独自AI「コメント多様化モデル」の導入を開始した。
Yahoo!ニュースでは、これまでにも独自のAIによって「新たな考え方や見識を提供する」などの条件を満たす建設的なコメントをスコアリングし、スコアが高いコメントを上位に表示する「建設的コメント順位付けモデル」など複数のAIモデルの導入や、「そう思う・そう思わないボタン」の押下などユーザーのリアクションデータを活用し、コメント表示順の工夫や調整を続けてきたという。
Yahoo!ニュースが行った調査によれば、「新しい気付きを得られるコメント」や「記事に対する他の視点を得られるコメント」が強く求められる傾向があることが判明。一方、多種多様なコメントが投稿されていても、似た内容のコメントが上位に並んでしまうケースがあり、“新たな視点を得るきっかけを創出する”という目的の実現にあたっての課題があったとしている。今回、よりユーザーニーズに沿った有意義なコメント欄を提供し、この課題を改善することを目的として、新たに開発したAIモデルの導入によって、より多様な意見が上位に表示されやすくなる取り組みを開始したと述べている。
コメント多様化モデルは、まず記事に対して投稿された各コメントの意味・内容を把握したうえで、それぞれの内容の類似度によってグループ分けし、各グループから抽出した代表的なコメントをコメント欄の上位に表示することで、ユーザーが多様な視点からのコメントに気付きやすくする仕組み。
既存の建設的コメント順位付けモデルなどに加えて同AIモデルを導入することで、建設的かつ多くの人が共感している意見だけでなく、異なる視点の意見など多様な意見を知るきっかけの提供を目指しているという。また、似た内容のコメントが並んだ結果、そのコメントの意見が多数派で正しい意見であるかのような印象をもたらし、他のユーザーからも同様の投稿やさらに過激化した投稿が過度に集中してしまう、いわゆるエコーチェンバー現象の軽減効果も期待。なお、同AIモデルを含むコメントの並び順は、ユーザーからの評価などを踏まえて、引き続き改善に取り組んでいくとしている。