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ソフトバンクや東京大学ら、新会社「HEMILLIONS」設立 健康・医療データの標準化や活用を推進

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 東京大学、ソフトバンクおよびケーアイエスなどは、HL7 FHIR規格(以下、FHIR)を活用して健康・医療データを標準化し、データ流通を促進する新会社「HEMILLIONS(へミリオンズ)」を、2023年4月7日に設立した。

 FHIRサーバーのソフトウエアである「FRUCtoS(フルクトース)」などのソリューションを開発・提供し、安全・安心に健康・医療データを活用できる社会の構築を目指すと述べている。

 HEMILLIONSは、東京大学とソフトバンクとの産学協創事業であるBeyond AI 研究推進機構における取り組みからスタートし、技術研究組合(CIP)を経て株式会社化。Beyond AI 研究推進機構から事業化および株式会社化した第1号であり、また東京大学にとっては知の対価として、事業会社の普通株式を直接保有する初のケースだという。

 Beyond AI 研究推進機構では、今後もエコシステムの構築を進めるべく、CIPの制度などを活用した事業化を進めていくとしている。

 日本の医療やヘルスケア分野でのデータ活用は、さまざまな要因により活用基盤の整備が遅れている状況だという。医療データは法令に基づき厳格な管理下での取り扱いを必要とする個人情報である点に加えて、医療機関や電子カルテのベンダーごとにデータの形式や内容のコード化の記述方式が異なり、活用には個別にプログラムの開発が必要とされているという。そのため技術障壁が高く、開発コストの高止まりや外部とのデータ連携の仕組みの煩雑さがあり、データ活用が十分に進んでいない。

 一方、米国をはじめとする海外では、医療情報を交換するための新しい標準規格であるFHIRの普及が進み、各国が主体となってAPIや実装ガイドなどの整備・提供に取り組み、健康・医療分野でのデータの活用が進んでいるという。

 日本においても、FHIRを活用できる環境の整備と、データの標準コード化の普及を進めることで、電子カルテシステムとその他の情報システムとの間での相互運用性を高め、医療機関同士が患者データを共有しやすくすることにより、医療やヘルスケア分野におけるデータ活用が進むことが期待できるとしている。

 HEMILLIONSは、健康・医療データを安全で効率的に活用できるよう、FHIRに代表される標準的な情報基盤を社会に提供することを目指すという。この情報基盤は、新しい技術を柔軟かつ低コストで実装することを可能にするとした上で、今後、FHIRサーバー向けの国産ソフトウエア「FRUCtoS」を医療機関向けに提供し、FHIRに準拠した健康・医療データの安全・安心な流通に貢献。FRUCtoSは、すでに大規模なテストにおいて、データを用いた性能検証や既存の医療情報システムとの接続検証を行い、その実用性が確認されているという。

 HEMILLIONSは、「ITとAIを駆使した次世代の医療ヘルスケアを実現し、安全・安心に健康医療データの活用できる社会を構築することで、あらゆる人々の健やかな人生を支える」をビジョンに、患者や医療従事者が健康医療データを安全かつ効率的に利用でき、研究開発などの利活用にも対応できる情報基盤を開発し、医療の場や社会全体に導入していくことで、日本における医療費の削減と、医療・ヘルスケア産業全体のイノベーションを促進。また、サービスやソリューションを提供し、社会における医療ビッグデータの活用推進に貢献することを目指していくと述べている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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