PwCコンサルティングと、東京大学公共政策大学院は2023年5月、地政学リスクの企業活動への影響に関する共同研究契約を締結し、研究を開始した。
今回の共同研究の概要は以下のとおり。
テーマ
地政学リスクへの企業の対応・事業継続の意思決定に関する研究
概要
近年、米中の大国間競争や、ロシアのウクライナ侵攻などに代表される地政学リスクが顕著となり、世界情勢は悪化の兆しを見せている。日本周辺においても、核・ミサイル戦力を含む軍備増強が急速に進展するなど、緊張が高まっている。企業にとっては、国際政治経済領域の予見可能性が低下する中で、どのように経営判断をしていくかが重要な課題となる。
同研究では、地政学リスクへの企業の対応・意思決定シミュレーションおよび、その結果明らかになる課題や対応策についての研究を行うという。最終的には、企業に対する「行動指針」をとりまとめ企業レベル・業界レベルでの対応策の検討の土台をつくるとともに、政府への政策提言を公表することを目指すとしている。
共同研究者
東京大学 公共政策大学院 教授 鈴木一人氏
共同研究に対するコメント
鈴木一人氏
「これまで自由貿易が国際経済秩序の基本であったのに対し、現代では経済を手段として他国に対して「経済的威圧」を行うことが珍しいことではなくなってきています。そんな中で日本や国際社会における秩序の安定を維持するためにも「経済安全保障」が重要な概念になっています。本研究を通じて、いかにして自由で開かれた国際秩序を維持しながら安全保障を確保していくかを検討したいと思っています」
齋藤 篤史氏(PwC Japanグループ)
「PwC Japanグループは、2021年10月に「経済安全保障・地政学リスク対策支援チーム」を組成し、シナリオ分析とレジリエンス戦略オプションの策定から実行までを一貫して支援してきました。日本の社会や企業の活動に影響を与えうる地政学リスクとその備えへの関心は高まっています。PwCコンサルティングとして、今回の共同研究を通じて、地政学リスクへの認識を深め、社会全体としてどのように備えるかの検討とその実現に貢献したいと考えています」