豆蔵は2023年7月より、自社プロダクトのスタートアップを検討している企業向けに、「アジャイル型プロダクト開発支援サービス」の提供を開始すると発表した。
ITコンサルティングで培った知見や、自社製品の対話型AIエンジン「MZbot」の開発で得た知見から、体系化したプロダクト開発方法論を顧客のプロダクト開発プロジェクトに適用することで、様々な課題やリスクを未然に回避・低減し、無駄なく効率的にプロダクト開発を進めることが可能となり、品質・コスト・スケジュール(QCD)の面で成功率を向上するとしている。
また、プロダクト開発のリーダーであるプロダクトマネージャ(PdM)やプロダクトオーナー(PO)を含む関係者を豆蔵のコンサルタントが伴走型で支援し、プロダクト開発のプロセスや方法論を組織全体に定着させることで、将来にわたり継続的に新しいプロダクトを生み出せる組織への変革を促進するという。
仮にプロダクト開発プロジェクトの企画フェーズから開発フェーズ(4ヵ月間~8ヵ月間程度)を実施することを想定とした場合、初期リリース版の開発完了まで、豆蔵のコンサルタントが伴走型で支援する。
①プロダクト企画フェーズ
1.プロダクト開発基礎知識講座(研修)
新しいプロダクトを開発し、ビジネス化(収益化)するために必要な一般知識や進め方(プロセス)、成果物などの基礎知識を座学中心に学習する。
2.ロジカルシンキング講座(研修)
プロダクト企画フェーズにおいて、アイデア創出やビジネスモデル・サービスモデルの検討を進める上で必要となる「企画・提案力」と、「調査・分析力」の基礎となる「ロジカルシンキング」の知識を座学とディスカッション形式で学ぶ。
3.デザイン思考講座(研修)
プロダクト企画フェーズにおいて、アイデア創出を進める上で必要な「発想力」と「課題認識力(課題分析力)」の基礎となる「デザイン思考」の知識を、座学とワークショップ形式で学習する。
4.アイデア創出PBL(伴走型PBL)
自社の強みを生かした新しいビジネスアイデアを創出するための方法論を学ぶ。具体的なフレームワークやテンプレートを使いながら、アイデアを具現化(資料化)するスキルを座学、ワークショップ、セッション形式で身に付ける。
5.ビジネスモデル検討PBL(伴走型PBL)
創出したアイデアをサービス化、製品化するために、ビジネスモデルやサービスモデルを整理する方法論を学ぶ。具体的なフレームワークやテンプレートを使いながら、成果物としてのビジネスモデルを具現化するスキルを座学、ワークショップ、セッション形式で身に付ける。
②システム開発フェーズ
1.アジャイル開発実践講座(研修)
実際のアジャイル開発プロジェクトが開始された直後から、迅速に成果を出すために必要なプロジェクト計画立案方法、工数の見積もり方法、各成果物の作成手法などを、実プロジェクトに近いチーム体制で疑似プロジェクトを通じて座学とワークショップ形式で学習する。
2.アジャイル開発PBL(伴走型PBL)
アジャイル開発プロセスの組織内定着化を促進するために、同社コンサルタントが、アジャイル開発実践講座で習得したアジャイルプロセスが適切に運用されているかを確認し、成果物のレビューやPMOとしてシステム開発プロジェクトに参加。プロダクト開発チームを伴走しながらサポートする。
3.サービス運用設計PBL(伴走型PBL)
プロダクトのリリース後、プロダクト(サービスや製品)を適切かつ効率的に運用・保守するための運用設計(DevOps、ITIL4、システム監視設計など)について、同社コンサルタントが設計のポイントの説明や成果物のレビューに参加しながら、システム開発プロジェクトを伴走してプロダクト開発チームをサポートする。
伴走型PBLとは
PBL(Project Based Learning:プロジェクト型学習)は、現実世界の中で学習者自らが課題を解決する能力を身に付ける学習方法。豆蔵が提供する伴走型PBLでは、同社コンサルタントが顧客のプロジェクトに参加して、プロジェクトメンバーと伴走しながら様々な課題解決を支援するという。
豆蔵がDX推進を支援している企業より、以下のような問い合わせが増えてきているという。
- 最近のトレンドとなっているChatGPTを含む生成系AIの技術を活用した自社プロダクトの開発を検討したい
- 既に自社プロダクト開発を進めているが、ノウハウや進め方がわからず思ったように進まない
そのため、企画から開発までフルスタックでサポート可能なサービスを開発し、今回提供することになったとしている。
その他、プロダクト開発において以下のような不安を感じている企業におすすめのサービスだという。
自社の企画力に不安を感じている
- 新規性のある斬新なアイデアが無く企画力不足を感じている
- 「ニーズ志向(マーケットイン)」と「シーズ志向(プロダクトアウト)」どちらを優先して検討していくべきか判断できない
- 実績の無い企画や新しいアイデアだと社内で理解されず、どこにでもある結果ありきたりな企画に落ち着いてしまう
- 組織改編などで長く培ってきた技術が実用化されることなく、そのままお蔵入りとなることが多い
- 自社の企業ブランドや既存資産を活用した現実的な企画にしたい
プロダクトの収益面に不安を感じている
- 組織の上層部から、Aなどの先端技術を使った新規ビジネスを早期に立ち上げるように言われているが、何から手を付けて良いかわからない
- 新しいプロダクトの企画はあるが、投資対象として妥当なものか判断できない
- これまで多くの製品を出してきたが、投資に見合った収益が上がっていない
- 投資額を極力抑えてスモールスタートで始めたい
プロダクトの維持・継続や事業運営に不安を感じている
- 商品力の低く顧客が増えない既存のプロダクト(サービス・製品)を改革したい
- 「儲からないと投資できない」「投資しないと儲からない」といったニワトリとタマゴの状態が発生している
- 既に自社には多くのプロダクトが存在しており、売れていないプロダクトも含めて維持・管理が難しくなってきている(維持・管理方法を統合したい)
- 顧客に対して製品を販売して終わってしまう。また、PoCを実施して終わってしまい、その後の発展性や継続性がない
同サービスを導入することで、以下のような効果が期待できるという。
- プロダクト開発プロジェクトの成功率を向上
- 将来にわたり、継続的に新しいプロダクトを生み出せる組織へ変革
今後は、導入企業の要望に即したサービスメニューを、随時拡充していく予定だとしている。