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PKSHA、三井住友トラストHDとのLLMなど活用した次世代コンタクトセンター構築で前進 本格実装へ

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 PKSHA TechnologyおよびPKSHA Communicationは、三井住友トラスト・ホールディングス(以下、三井住友トラストHD)と共に、大規模言語モデル(LLM)や機械学習(ML)技術を活用し、次世代コンタクトセンター構築プロジェクトに着手。2023年8月に全5領域への開発着手が完了し、複数拠点での実装に向けた取り組みを本格始動すると発表した。

 グループ全体で十数拠点のコンタクトセンターを展開する三井住友トラストHDでは、デジタル企画部が中心となり、コンタクトセンターでのAI技術を活用した顧客応対品質の向上、オペレーター業務の効率化、コンタクトセンター全体の効率化、データ活用によるサービス改善などといった領域でデジタル技術の活用を検討していた。また、昨今の対話型AIの進歩やそれを取り巻く技術の変化を受け、多角的な改革を見込めるAI技術の導入が喫緊の課題になっていたという。

 これを受け、PKSHAがAI領域におけるパートナーとなり、三井住友トラストHDとともに同社のAI・デジタル技術を駆使したCXのオートメーション実現および拠点を横断した抜本的な改革を目指した、「次世代コンタクトセンター構築プロジェクト」に着手したと述べている。

 2030年を目処に次世代型コンタクトセンターを実現するにあたり、【1】顧客応答の高度化と、【2】コンタクトセンター運営の最適化という観点で、プロジェクトでは三井住友トラストHD内5拠点を対象に、5つのテーマで2023年8月にかけて具体的な取り組みを開始したという。

【1】対話型AIとPKSHA LLMSを活用した応答の高度化

 信託業務を専門的に顧客応答を行うコンタクトセンターでは、信託に関する法律や規制、運用方法など、専門的な知識が求められる中で、複雑な問合わせにも正確かつ適切に回答する必要がある。また、多くの個人情報に関わるデータを取り扱うことから、情報セキュリティやプライバシー保護に対する高い意識も必要となるため、オペレーターには高度なスキルが求められていたという。これらの応答品質の標準化・高度化および業務効率化を目指し、PKSHAではChatGPTなどの対話型AIを活用して、以下の3テーマでAI技術支援を開始。また、対話型AIの実装には、大規模言語モデルを効果的に実装するためのPKSHA独自のソリューション「PKSHA LLMS」を活用している。

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①ChatGPTを活用した滑らかな対話体験

 コンタクトセンターによせられる問合せに対して、通常、オペレーターは様々な情報を検索しながら応対をする。ChatGPTを活用することで、複数のナレッジを横断して検索を行いながら、文脈を考慮した自然な回答文を生成し表示することができ、オペレーターの顧客応答をサポートするという。検索対象とするナレッジはまず公開FAQから着手し、よりリアルタイム性の高いWeb情報や、社内文書など、段階的に拡充を予定していると述べている。

②ChatGPTを活用しFAQやオペレーターの回答をサポートするナレッジの自動生成

 ChatGPTにより規約などのドキュメントや通話テキストといった、独自のデータからナレッジを自動生成することを通じ、FAQなどの作成・メンテナンスにかかるオペレーターの業務負荷を軽減。新規に追加されたFAQや優秀なオペレーターの対応ログは、①の回答文生成における検索対象として追加され、対応実績が増えるにつれコンタクトセンター全体の対応品質向上が期待されるという。

③生成型音声要約を通じた受電後の事務作業の効率化

 対話内容を自動で書き起こし、要約を行うことで、受電後のオペレーターの情報記録などにかかる業務(アフターコールワーク)を削減。また要約する段階で、コンプライアンス観点での確認や情報の整理を行い、会話ログをナレッジ化することで、顧客の声(VoC)をスムーズにサービス改善につなげることが可能になるとしている。

【2】コンタクトセンター運営の最適化

 対話型AIを活用した取り組みと並行して、コンタクトセンター全体の運営においても効率化の余地があったという。すべてのセンターにおいて対応品質を維持した上での効率的な運営を実現すべく、AIを用いて以下の自動化に着手していると述べている。

④コール量の予測

 法律・条令の変更、為替・株価・金利などの外部要因によってコール量の予測がしづらく、オペレーターの配置に過不足が発生する中、AIにより3~6ヵ月先までの入電数を予測することによって、応答率の向上や適正配置によるコストの低減および顧客の待ち時間の最小化を実現するという。

⑤オペレーターシフトの自動作成

 ルールの複雑化によってSV(スーパーバイザー)によるシフト調整・作成に伴う負荷が増加していたが、AIによりシフトを自動作成することにより効率化を目指す。また、オペレーター希望などを考慮するほか、過剰出勤や特定のオペレーターにおけるシフトの偏りをなくし、従業員満足度の向上やコストの低減に寄与すること、各拠点での管理方法の均一化により、グループ全体での運営の最適化が期待されているとしている。

 三井住友トラストHDでは、グループ全体におけるコンタクトセンター全拠点の内、まず5拠点を対象に検証を進めた上で横展開を図り、2025年までに全拠点へのAI実装および同年からの営業店での活用開始を目指しているという。

 単なる自動化・効率化だけでなく、AIが得意な部分、人にしかできない部分を的確に住み分けた上で、人とAIがベストバランスで協働する次世代コンタクトセンターの実現を目指すとしている。

三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 経営企画部 デジタル企画部 主任調査役 尾塩真平氏のコメント

 弊社は、お客さまにより便利で一貫性のあるグループサービスを提供するため、コンタクトセンターシステムの高度化とオムニチャネル化を進めてまいりました。これに加え、コンタクトセンター従業員への研修とナレッジベースの強化を通じ、迅速で質の高いサービス提供を目指しています。本年度、これらの取り組みを更に加速させるため、LLM/AIの活用を決定いたしました。

 その際、弊社はPKSHAを強力なパートナーとして選定いたしました。PKSHAはAIのカスタマイズサービス提供において弊社の要望に合致し、また弊社の考え方とも共通の価値観を持っていることが理由です。

 これからは、LLMを社内利用やLLMと人の組み合わせによるサービス提供からスタートし、将来的にはLLM単体で社内業務とお客さま接点の両方を担うことを目指しています。お客さまと従業員が共に満足し喜ぶことのできるサービスの実現を目指して、引き続き積極的な挑戦をしてまいります。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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