博報堂と日本航空（以下、JAL）は、地域の特別な体験や現実資産（RWA）をNFT化し、国内外の購入者を地域の関係人口に変えていく「KOKYO NFT」の実証実験第2弾を2024年2月より行うと発表した。
両社は、2023年2月にKOKYO NFTによる関係人口創出のための実証実験第1弾を実施。NFT化することにより、限定的な体験として希少性が上げられることや、体験者同士や体験者と地場企業のつながりを深められるなど、地域の体験に新たな価値を加えることの有用性の検証を行った。国内外からの訪問者を、何度も来訪する関係人口に変えていくという価値創造ストーリーにつなげるための方法を協議し、今回、第1弾の知見も合わせ、規模や内容を拡大した実証実験第2弾を行うとしている。
第2弾では、地域の現実資産（RWA）に注目。日本には様々な魅力ある体験や工芸品が存在するが、広く認知されていないものが数多くある。それらを現実資産（RWA）と捉え、6つの地域でNFT化することで、世界中の多くの人に体験の価値を適正に広め、関係人口を増やす新たな地域づくりを目指しているという。概要は以下のとおり。
- 北海道虻田郡洞爺湖町：洞爺湖にて春から夏にかけて半年間行われる名物イベント「洞爺湖ロングラン花火」において、自分たちがプロデュースした花火を打ち上げることができる権利をNFTとして販売。NFTを保有している人は、花火製造体験にも参加可能
- 茨城県水戸市：明利酒類が提供している日本酒「雨下-uka-」の中でも、特に希少価値の高い火入れ前の「雨下-uka-の生酒」を直接酒蔵で味わうことができる権利をNFTとして販売。同NFTを保有していることで、今後も雨下-uka-を優先的に購入可能
- 福井県越前市：福井の伝統工芸「越前打刃物」の職人とともにオリジナルの包丁を作ることができる権利をNFTとして販売。NFT保有者は越前の伝統工芸である漆と和紙の工房ツアーにも参加可能
- 福岡県柳川市：旧柳川藩主「立花家」がファミリーとして新たに迎え入れる家臣=サムライの一員になれる権利をNFTとして販売。その後も立花家の年間行事に参加可能
- 鹿児島県熊毛郡南種子町：「種子島宇宙芸術祭」に向けて、アーティストとともにアート作品を創り上げ、展示し、共同所有できる権利をNFTとして販売。同NFTを保有することで、洞窟内で開催されるプラネタリウムツアーに参加可能
- 鹿児島県奄美市：第1弾の実証実験にて販売した奄美のNFTを再販。音楽を活用して作られる3種類の黒糖焼酎の熟成過程を体験できる権利をNFTとして販売する。熟成終了後には、3種類の黒糖焼酎をオリジナルボトルにて受け取ることが可能
博報堂とJALは今後、同実証実験を通じて関係人口創出の可能性を検証するとともに、日本の人口減少という社会課題の解決に貢献していくとしている。
