勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
私は20年近くデータ分析に関わってきました。
20代のころは失敗ばかりです。無理に高度な統計理論を使い周囲から理解されなかったり、間違ったデータを意気揚々と分析してしまったり、データ分析結果を上手く相手に伝えられず不思議がられたり、色々なことがありました。
「人を動かす」(意思決定を促したり行動に駆り立てたりする)ことのできないデータ分析は無価値だということを、身をもって体験してきました。このような失敗を減らすために「上手くいったケース」と「上手くいかなかったケース」を、私は記録するようになりました。
記録することであることに気が付きました。「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」の格言通り、「上手くいかなかったケース」には共通した理由がありました。次の5つのどこかに問題がありました。
- 分析の「準備する」段階の品質が悪い
- データを「集める」段階の品質が悪い
- 実際に「分析する」段階の品質が悪い
- 分析結果を表やグラフなどで「表現する」段階の品質が悪い
- その表現したものを「伝える」段階の品質が悪い
データが宝に変わるとき
データ分析は「人を動かす」(意思決定を促したり行動に駆り立てたりする)ことができて初めて価値を持ちます。アクションにつながらないデータ分析は無価値です。そして、データを分析しても結果を眺めただけではアクションは起こりません。
データを宝に変えるには適切なアクションが必要です。先ほどの「準備する」「集める」「分析する」「表現する」「伝える」の5つの品質が高いとき、適切なアクションが起こります。目的に沿って、正しいデータで正しい分析をし、その結果を人に伝え動かすからです。
では、次のページから5つのステップを簡単に見ていきます。