デロイトトーマツコンサルティングは、企業のデータドリブン経営を飛躍的に進展させる方策として、さまざまな人材の中に眠る暗黙知を引き出すAI技術の実装を推進し、「AIインタビューエージェント」を開発した。
同アプリは、事前に設定されたシナリオに沿ってAIが音声でインタビューを行い、聞き出した情報を構造的に整理するもの。同アプリにより、24時間、場所を選ばず、一定の品質で人とAIの対話を通じた情報取得が多数可能になるという。
取得した情報は、知識を整理するのに適した「グラフ型データ」と呼ばれるデータ構造でデータベースに格納。グラフ型データとは、ノード(頂点)とエッジ(辺)によって構成され、データ間の複雑な関係性を表現するのに適したデータ構造だという。情報を検索する際には自然言語で情報を取得でき、また、データ構造をたどることで検索の精度が高まるとしている。
AIインタビューエージェントの主な機能
- 音声インタビュー:あらかじめ設定されたシナリオに基づいて音声AIがインタビューを行い、自然な形で人から情報を聞き出す(テキスト入力との併用も可)
- 会話ログ表示:人とAIの会話内容をリアルタイムにテキストで表示する
- グラフデータ表示:会話内容を大規模言語モデル(LLM)が分析し、グラフデータへ変換し、画面上にビジュアル的に表示
- データ編集:AIに誤認識されてしまった内容を、ユーザーが画面上から直接修正する
- データ検索:グラフデータに対して音声で質問を投げかけることで、必要な情報を取得する(テキスト入力との併用も可)
- AIエージェント:ユーザーとの対話内容に応じて、インタビューを実施すべきか、グラフデータへの変換を実施すべきか、データ検索を実施すべきかを判断し、複数の処理を自動的に切り替える
![AIインタビューエージェント概要[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11262/11262_1.png)
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同アプリは、聞き取った内容を随時整理して会話ログを可視化するため、ユーザーは自身の話がきちんと伝わっていることを確認でき、安心感を与えられるという。また、グラフRAGという技術により構造化データで情報を管理しているため、情報を検索する際に、断片的な情報だけではなく、関連性のある情報をひも付けて取得することにも特徴があるとしている。
![AIインタビューエージェント実行中の様子(例)[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11262/11262_2.png)
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