イグニション・ポイントは、AIが人の指示なしに自律的に仕事を進める「AIエージェント」技術を用いた、新しいビジネスモデル変革支援サービスの提供を開始した。
同社は、「ゆたかさを生み出すあらゆるプラットフォームになる」をビジョンに掲げ、企業が日常的な業務を自動化し、意思決定のスピードを加速させることで、企業がより効率的に自由な発想で事業を運営できる未来を実現していくと述べる。具体的には、次の領域に焦点を当てて取り組んでいくとしている。
- 新規事業ラピッドプロトタイピング:新規事業開発におけるMVP(最小限の実用的な製品)開発、PoC(概念実証)、事業運営インフラ構築には高いコストが伴い、これが障壁となることがあるという。一方で、MVP開発におけるエンジニアリング、初期的な顧客に対するカスタマーサポート、プロダクトマネジメントにおける課題管理等の自律化や省力化が進み、この課題を克服しつつあるとしている。同社は、エコシステム内各社とのN対Nの共創を通じてAIエージェント技術を取得し、リーンな事業開発に活用することで、新規事業開発のスピードを加速すると述べる
- マイクロ業務自律化:過去10年間、DXにより業務効率化は進む一方、基幹システムや業務SaaSで対応しきれない「マイクロ業務」が企業内に残っているという。これらの業務は従業員の訓練コストが高く、DXの進展を阻む要因に。同社は、AIエージェントによる自律化でこれらのマイクロ業務を解消し、訓練コストを削減しながら、さらなるDX推進を支援する
- 顧客接点の一新による「CtoB型ビジネスモデル」への転換:顧客の代理としてAIエージェントが各種チャネルを操作する場面が登場し、企業側でも応対やデータ収集をAIエージェントが担うようになるという。AIエージェントに蓄積された顧客データを統合的に活用することで、企業は顧客一人ひとりの欲求を正確に捉え、新商品企画やマーケティングに即座に反映できるようになるとしている。同社はこれをCtoB型ビジネスモデルと名付け、チャネル変革を起点に、企業のCtoB型ビジネスモデル転換をサポート
- AIフレンドリーなデータマネジメント変革:人間やルールベースのITシステムからAIエージェントへのデータ活用の主体移行に伴い、データマネジメントにも変革が求められるという。音声文字起こしや要約の自動化などにより、活用できるデータソースは急増。一方で、AIエージェントがこれらのデータを効果的に活用するためには、「AIフレンドリー」なデータ管理が重要だという。たとえば、AIは人間のようにデータの背景や文脈を推測することが難しいため、背景や文脈を示すメタデータを追加する必要があるとのことだ。同社は、これまでの専門性を活かし、これらのデータマネジメント変革に伴走する
- ガバナンスを考慮したエージェント・オーケストレーション:複数のAIエージェントおよびITシステムを組み合わせることで、特定タスクの自律処理を超える高度な業務の自動化が可能に。汎用性の高い水平型AIエージェントが、複数の専門特化型AIエージェントやITシステムを統括し、業務領域をまたいだ自律的な運営を実現することで、事業活動全体の加速が期待できるという。経営者が組織設計を行うように、エージェント間の役割分担を設計・実装するとともに、AIエージェントによるインシデントリスクを考慮し、変革とガバナンスの両立をサポートする
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