パーソルイノベーションが展開するリスキリング支援サービス「Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)」は、第十回にあたるリスキリング施策の実態調査を実施した。
リスキリング施策の実施率は継続して約40%の傾向を維持
所属企業において「直近一年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか?」と尋ねたところ「実施した」との回答は、前回の41.7%に比べ2.8ポイント上昇。44.5%となり、昨年同月と比較しても高くなっている。

企業規模別で見ると、大企業では「実施した」との回答が64.6%を占め、前回の63.3%に比べて1.3ポイント上昇。中小/スタートアップ企業では38.3%(前回33.4%)を占め、4.9上昇した。
業種別で見ると「実施した」との回答は製造業において66.0%(前回61.8%)と4.2ポイント増加。情報通信サービス業の26.0%、その他の42.7%と比較して、取り組み度合いの高さがうかがえる。
リスキリングで重視するスキル「AI活用」が初めてトップに
所属企業が取り組むリスキリング施策において「重視されるスキルは何ですか?」と尋ねたところ、全体1位は「AI活用(ChatGPTなど)」で33.3%。2位は「セキュリティ(30.5%)」3位は「ITプロジェクトマネジメント(30.2%)」だった。

今回の調査で初めて「AI活用(ChatGPTなど)」が重視するスキルのトップにランクイン。生成AIの発達にともない、それらを活用するためのリスキリングが重要視されている。
企業規模別で見ると、大企業での1位は「ITプロジェクトマネジメント(40.6%)」。同率2位が「AI活用(ChatGPTなど)」と「セキュリティ」だった。中小/スタートアップ企業での1位は同率で「AI活用(ChatGPTなど)」と「ビジネス構想」。3位は「アプリケーション活用(26.5%)」だった。
リスキリング対象人材の所属部門トップは「情報システム、ITシステム」
所属企業が取り組むリスキリング施策において「リスキリングの対象となる方は主にどのような部門に所属していますか?」と尋ねたところ、全体での1位は「情報システム、ITシステム(45.3%)」に。2位は「経営企画(42.1%)」で、3位は「人事(35.8%)」だった。

企業規模別で見ると、大企業の1位は「情報システム、ITシステム(55.6%)」で、2位は「人事(39.1%)」3位は「経営企画(38.3%)」だった。一方の中小/スタートアップ企業では、1位が「経営企画(45.7%)」で2位は「情報システム、ITシステム(36.4%)」3位が「人事(33.1%)」という結果に。
リスキリング施策の主な失敗例は「研修内容と実務のミスマッチ」
所属企業におけるリスキリング施策の失敗例について尋ねたところ、全体の1位は「研修・学習内容が実務にマッチしていなかった(45.6%)」だった。2位には「従業員任せになり、成果につながらなかった(37.2%)」3位には「対象者が学習を完了できなかった(35.1%)」がランクインした。

【調査概要】
手法:インターネットリサーチ 「Fastask」でアンケート調査を実施
対象:全国の企業に勤める人
期間:2025年5月1日(木)~2025年5月8日(木)
人数:660名
属性:大企業(従業員数が300名以上の企業)、中小企業とスタートアップ(従業員数が300名未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と、従業員数が300名未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業)
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