発表によると、TPPの大筋合意を9割の企業が評価し、日本にとっての最大のメリットは「国内の構造改革が促進される」との期待感を示しているという。一方、自社にとって「TPPはメリットがある」とした企業は約5割に上り、最もメリットが大きい分野は「関税の削減・撤廃」であるとした。さらに、TPP発効後の企業の対応のトップは、「加盟国市場への参入や投資を増やす」だったとしている。また、今後TPPに加盟してほしい国のトップは「中国」だった。
発表された調査結果のうち、主な調査結果は次のとおり。
●大筋合意(2015年10月5日)に対して、9割の企業が評価
・TPP協定の大筋合意を、9割(89.8%)の経営者が、「評価する」あるいは「ある程度評価する」と回答。
●日本にとって最大のメリットは「国内の構造改革の促進」
・日本にとってのTPPのメリットは、「国内の構造改革が促進される」(23.0%)が最も多く、「企業の国際的な競争力が高まる」も2割近く(18.5%)を占めた(2つまで選択)。
●自社にとってメリットがあるとした企業は5割
・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする回答は、5割(45.7%)。
●TPP発効後の企業の対応のトップは「加盟国市場への参入・投資の増加」
・自社にとってTPPはメリットが「ある(「少しある」も含む)」とする企業が、TPP発効後に起こすアクションは、「加盟国市場への参入や投資を増やす」が2割(19.5%)で最も多く、次いで「加盟国に輸出を増やす」が15.4%だった(当てはまるものすべて選択)。
●今後TPPに加盟してほしい国のトップは「中国」
・今後TPPに加盟してほしい国は、「中国」が最も多く2割弱(18.5%)、タイ(15.4%)やインドネシア(14.7%)とする回答も多かった(3つまで選択)。
●TPPを日本の成長に活かすために政府が最も優先的に取組むべき政策分野は「規制改革」
・TPPを日本の成長に活かすために、政府が最も優先的に取組むべき政策分野は、「規制改革」が最も多く(24.2%)、「景気対策」(20.8%)や「農業改革」(18.1%)への回答も多かった(2つまで選択)。
なお、アンケートでは、日本経済全般についてとして、経済成長率についてもたずねている。
●経済成長率を2%以上と見込む企業は前回を3.1ポイント下回る
・今後5年間の実質経済成長率を「2%以上」と見込む企業は5.2%で、前回調査(2015年5月調査)を3.1ポイント下回った。
●今後5年間の自社成長目標を「4%以上」とする企業は最多に
・自社の今後5年間年の平均成長目標を「4%以上」とする企業が、単独ベース(42.8%)、連結ベース(48.4%)で、ともに4割超を占め最多だった。