協働ネットワークの目的と必要なパートナー
次に、協働ネットワークのサブ要素である「アグリーメントの定義と属性」について見ていきましょう(図表6)。アグリーメントは、その目的、動機、機能、条件などに関する企業間の具体的な合意内容を表わすものです。合意内容の目的にはさまざまなものが存在しますが、ここでは組織的要因、経済的要因、戦略的要因、政策的要因の4つの分類することにします。
「組織的要因」とは、組織コンピタンスやリソースの獲得や共有を目的とするものであり、物理的なリソース不足の補完だけでなく、知識やノウハウの獲得や共有を目的とする場合まで幅広い領域におよびます。
「経済的要因」とは、コストやリスクの軽減、規模の経済や範囲の経済を主要な目的とするものです。
「戦略的要因」とは、新技術によるイノベーションの実現や価値提案の提供、競合他社の排除、サプライチェーンの統合、顧客の囲い込みなどを目的とするものを含みます。
「政策的要因」とは、主に新市場の開拓を目的とするもので、技術標準の構築、新しい市場への参入障壁の克服、海外市場の政府とのリレーションシップ構築などを狙いとするものです。
広義のアライアンス(ジョイントベンチャーやコーペティションを含む)を、リソースの交換という側面で捉えることもできます(図表7)。このうち、企業同士が財務リソースを出資する場合はジョイントベンチャー(共同出資)となりますよね。