10年ぶりに日本市場復帰の理由は「IoT先進国の市場」
NOKIA(ノキア)といえば、かつては世界最大の携帯電話会社であり、日本でも端末では人気があった。さらに携帯や組み込み用のシンビアンOSなどでBtoBの世界でも地位を確立していた。2008年からの携帯端末の日本徹底以降、すっかり影をひそめた感があったが、ここ数年は通信インフラ企業として復活している。
特に日本での通信キャリアに提供するLTEの技術や、次世代の5Gといわれる高速通信の仕様に大きくコミットしている。
6月21日の会見において、統括責任者の守屋文彦氏は「IoTにおいて今後最も進んだ国になる日本に改めて参入する。本日は、日本に復帰するという記念的な日となる」と語った。
まずは買収したWithings(ウィジングス)ブランドがノキアへの移行を完了し、ノキアの活動量計、体重・体組成計やスマートHDカメラなどを国内総代理店のソフトバンク コマース&サービスにより、Amazon、ヨドバシやビックカメラなどの量販店、ソフトバンクのオンラインショップで販売を開始し、Appleも数ヶ月以内に開始するという。
リニューアルしたアプリケーション群
「慢性病や心血管疾患の9割は予防可能であることが判明しており、解決策は個人の日常の選択だ。生活をより発展させるツールで、個人の健康を増進させていく」とデジタルヘルスマーケティング責任者のジュリアン・ド・プレオモン氏は語り、今回一新されたアプリケーション「Nokia Health Mate」を紹介した。ユーザーへの健康情報に加え、ウェルネスプログラムで健康目標の達成を支援する機能が強化されている。
「プログラムの開発には、医療関係の専門家や科学者と共同でおこなった」(プレオモン氏)と言い、8週間の健康プログラムでユーザーにコンテンツやアドバイスを提供することができる。
また、睡眠のサイクルを最適化する「スリープマスター」、妊娠中の健康管理をおこなう「妊娠トラッカー」といったプログラムも提供された。
新たにWiFi接続型のBMI体重計「Nokia Body」も発表され、8510円(税込)で販売される。
日本ではすでにタニタやオムロンなどのデジタルヘルス機器の競合が存在する。ノキアとしては今後再参入した日本市場において、「デジタルヘルスと通信ネットワークのシナジー」と「欧米市場での成果の導入」の2つの武器で戦っていくという。