「ものづくり白書」は、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめ国会に毎年報告する年次報告書で、今回で18回目となるもの。
経済産業省、厚生労働省、文部科学省が連携して作成しているもので、今回UDSは、労働生産性の向上に向けた人材育成の取組と課題を分析する「第2章 ものづくり人材の確保と育成 」において、創業者の企画のコツを共有するため「パターン・ランゲージ」を活用している企業の事例として取り上げられた。
パターン・ランゲージとは、成功事例の共通パターンを言語化して共有する方法論。建築家クリストファー・アレグザンダーが1970年代に考案 し、以後ソフトウェアデザインの分野、さらに教育や組織の分野にも展開して応用されている。
創業してから 25 年 以上経ち、この考え方を次世代に継承していくことが、今後会社を発展させていく上で重要な課題だと中川代表取締役社長 は考えるようになった。
このような問題意識を持つ中で、中川社長はパターン・ランゲージを推奨する慶應義塾大学総合政策学部・井庭崇教授と 出会い、パターン・ランゲージは会社の理念を伝えることに有効だと考えた。そして井庭教授とともに、創業者が大切にし てきた企画のコツを32のパターン「Project Design Patterns」にまとめ上げた。
それぞれのパターンは、具体的なエピソー ドも付加されたカードとして作り上げ、想像しやすいものとなっている。また、創業者の考え方や行動にそった対応を次世 代の社員達に継承できるのではないかと考え、「Project Design Patterns」を社員への企画の考え方のアプローチやマネ ジメントのツールとして活用する取組も行っている。
(「平成29年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)第2章 ものづくり人材の確保と育成 193ページより抜粋)
UDSでは2014年より慶應SFC井庭崇研究室と共同研究契約を結んでおり、2016年に上記の「Project Design Patterns」『プロジェクト・デザイン・パターン 企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』を井庭教授とともにまとめ刊行し、社内での人材育成やプロジェクト立案の際に活用している。今回はその企業としての取り組みを取材いただいての掲載となった。
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