先進企業のRPA活用はStage2~3へ移行──「次世代型デジタルレイバーへの進化」とは?
現在のRPAは、業務プロセスやルールが固定化されている定型作業の自動化に主として使われている。ルールエンジンで定義したルールの通りにロボットが画面を認識し、人間が作業するのと同様に画面を操作しながら、決められた業務プロセスに沿って作業を進めていく。
今後は、こうした基本機能に、OCR(印刷物の文字を読み取ってデータ化する光学式文字読取装置)やIoT(Internet of Things/モノのインターネット)、AI(Artificial Intelligence/人工知能)、ビッグデータ、オープンプラットフォーム等、進化していくデジタル技術との組み合わせによって、企業のデジタル化がいっそう進んでいく。RPAを構成する予想技術の更なる発展により、個々の分断された定型業務の自動化の枠にとどまらず、業務全体の自動化や分析・改善、意思決定まで担うことのできる新たな労働力、すなわち「デジタルレイバー」への進化が期待されているのだ。
上の図は、本コラムを担当するアビームコンサルティングが考える、次世代型デジタルレイバーへの進化を示したものである。
現在は、多くの企業がRPAを単体利用する「Stage1:Basic」の状態にあるが、先進企業はコグニティブを活用する「Stage2:Cognitive」やAIを活用する「Stage3:Intelligence」へ移行しつつある。デジタルレイバーであるRPAが業務とITの間をつなぐことで、経営環境の変化に応じたアプリケーション構成の最適化を、コストや現場への負荷を押さえつつ、短期間で実現できるようになるのだ。