今回の連携は、東京大学が持つ人文社会科学系や先端科学系の卓越した知見と、IBMが持つAI、ブロックチェーン、IoT、量子コンピューターなどの先端デジタル技術を融合し、日本企業の強みを生かしながら持続的成長を実現する社会モデルの創出を、産学連携で推進するもの。新設した研究プログラムは、東京大学と日本IBMとの委託研究契約により、2019年7月から2022年3月まで実施する。プログラムリードは、東京大学大学院情報学環須藤修教授が務める。
今回新設した「コグニティブ・デザイン・エクセレンス(CDE)」は、日本企業の経営幹部が参加して新しい社会モデルをデザインするもの。人文社会科学やデジタル・デザインの専門家による課題提起を受けたうえで、参画企業によるディスカッションを行い、新たな視点や洞察力を得ながら社会や企業の未来に向けた社会モデルを提起するという。現在、農業、エネルギー、格差、災害、教養、交通インフラ、ポストイベント、多様性などのテーマを検討している。
今後は、革新的な社会モデルのデザイン・構築の教育機能として、AI研究やデータサイエンティスト育成をはじめ、先端デジタル技術の革新的な社会応用を学ぶ機会の提供を検討するという。また、社会・産業プラットフォームを創出することを目的に、アイデア出しの支援、ワークショップの開催、最先端テクノロジーの情報を提供していく予定。さらに、人材交流、人材育成を目的とした学生、スタートアップ企業、インターンの共有の場として、東京大学本郷地区に新しく産学協創スペースを設けて研究・討議を行うとしている。