多くの企業が見落としている“ミッシング・ミドル”
人間とAIの関係が進化するにつれて、仕事の形は変わりつつあります。それは、人間の仕事/AI・ロボティクスの仕事という二者択一の構図ではなく、人間とAI・ロボティクスの持つ能力を得意な部分で補完し合って創出されたまったく新しい仕事のあり方です。従来の経済調査や雇用調査では見落とされていたこのような活動領域を、アクセンチュアでは“ミッシング・ミドル”(失われた中間領域)と呼んでいます。ミッシング・ミドル領域においては、人間がAI・ロボティクスを助け、AI・ロボティクスが人間を助ける方法を企業や組織が理解する必要があります。たとえば人間がAIをトレーニングして特定のタスクを実践できるようにする活動や、AI・ロボティクスが人間とインタラクションすることで人間の能力を拡張するような活動がこれからの仕事では必要とされるのです。
企業や組織がこのミッシング・ミドルを埋めることで、ビジネス上での活動のパフォーマンスを桁違いに改善できるようになります。一方で、どのようにAIを利用する場合でも最終的には“人が責任を負う”ようにしなければなりません。AIに異を唱える能力や、AIが提示した結果を覆す場合も含めて、人間が最終決定できるプロセスが必要です。重要なのは、このような背景のもと、人間に求められる役割やスキルも変わってきているということです。では、AI・ロボティクスが人間とより複雑なインタラクションを行い、業務の高度化を図るために、ミッシング・ミドル領域において人間は、どのような役割やスキルが求められるのでしょうか。