ガートナーのハイプ・サイクルは、テクノロジやサービス、関連する方法論、プラクティス、コンセプトなどを含む「キーワード」の認知度、成熟度や採用状況、および各キーワードが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを視覚的に示したもの。ハイプ・サイクルは、横軸に「時間の経過」、縦軸に「市場からの期待度」を置く2次元の波型曲線で表されている。
日本では、「デジタル」や「デジタル・トランスフォーメーション」という名の下、何らかの活動を進める企業が増えてる。しかし一方で、「デジタル」への取り組みを始めたがうまくいかない、「デジタル」をどこから始めるべきか分からないという声も一定数存在してる。その要因として、新たなテクノロジやサービスの変化のスピードが速いことに加え、それらが組み合わされることで複雑性が増し、テクノロジを使いこなす難易度が高くなっている状況が存在しているという。その結果、ITリーダーは、より高度な理解やスキルを求められるようになっており、さらに、旧来の資産や課題が変化を阻害していることも要因に挙げらる。
ガートナーのマネージング バイスプレジデントの長嶋 裕里香氏は、「2019年現在、例えば『モノのインターネット』『人工知能』『ブロックチェーン』は、幻滅期に位置付けられています。概念実証 (POC) などの取り組みを通し、単に期待を抱いていたところからリアリティに直面するようになった困難の表れと言えるでしょう。これは決して悪いことではなく、こういった時期だからこそ冷静に、基本に立ち返ってテクノロジの真価や導入のタイミング、採用/導入領域を見極めるタイミングが訪れているとも言えます。一方、『5G』に対する期待が『過度な期待』のピーク期に入ったとガートナーは評価しました。これには、新たなテクノロジの活用とその普及がもたらし得るさらなる破壊に対する期待が影響しています」と、2019年版の傾向を述べている。