日立キャピタルが提供する取引先の与信や請求・回収業務のアウトソーシング(BPO)サービス「HiPayment(ハイペイメント)サービス」と、日立ソリューションズが提供する顧客管理・課金・請求ソリューション「BSSsymphony(ビーエスエスシンフォニー)」を組み合わせ、与信から契約、顧客管理、課金、請求、回収まで、サブスクリプションビジネスで必要となるバックオフィス業務をワンストップで支援するサービスを共同開発し、2020年10月からの提供開始をめざしている。
サブスクリプションビジネスの動向、ならびに企業の課題
近年、ユーザーの関心が「モノの価値」から「コトの価値」へと変化するなか、企業側においても「モノを作って売る」だけではなく、「モノから得られる情報(データ)をサービス(コト)に転換して提供する」ことで、顧客との継続的な関係性を構築していくサブスクリプションビジネスが注目されている。また、国内のIoTおよびパブリッククラウド分野におけるBtoB企業によるサブスクリプションビジネスの市場規模も、2018年から2023年にかけて、年平均13.4%という高い成長率が見込まれている(日立総合計画研究所推定)。
そのようななか、BtoB企業がサブスクリプションビジネスを新たに立ち上げるためには、月額基本料金および従量課金の請求・回収を管理するシステムの構築や、これまでに経験がない債権の回収業務などが必要となる。
日立キャピタルと日立ソリューションズのこれまでの取り組み
日立キャピタルは、これまで、BtoB企業向けの与信・請求・回収業務を合理化するBPOサービス「HiPaymentサービス」やリース・レンタルなどのファイナンスサービスを提供し、企業のキャッシュフローの改善、資産管理などを支援してきた。
一方で、日立ソリューションズは、月額基本料金や従量課金、日割計算、各種割引、年縛り契約など、幅広い料金プランに対応可能な顧客管理・課金・請求ソリューション「BSSsymphony」を提供してきた。
サブスクリプションビジネスをトータルに支援するサービス提供に向けた今後の活動
両社は、2020年4月より、「HiPaymentサービス」と「BSSsymphony」を相互販売しており、2020年10月には、「HiPaymentサービス」と「BSSsymphony」をベースに、サブスクリプションビジネスの立ち上げのコンサルティングから回収業務まで、業務に精通した人財がワンストップでバックオフィス業務をサポートする協業サービスの提供を予定している。
また、協業サービスと並行し、「HiPaymentサービス」と「BSSsymphony」の機能追加も行っていく。一例としては、「HiPaymentサービス」の契約をより効率的に行うためのWeb契約窓口の開設や「BSSsymphony」のAPI機能の拡充が挙げらる。
さらに、両社は、BtoB企業との協創で、リースやレンタルを含めた資産管理の強化、IoTやデータ利活用の強化など、ファイナンスサービスとITサービスの両面から、新たな付加価値を提供し、サブスクリプションビジネスを支援していく。