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マイクロソフトが新たに提唱する「CAF」成功に基づくフレームワークとは

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CCoEを前提としてDX実現を目指す

 マイクロソフトの提唱するCAFは最適なクラウド導入と運用を支えるためのフレームワークであるが、CCoE(Cloud Center of Excellence)の設置が前提として考えられている。CCoEとは、クラウドを利用したビジネス変革実現に向けて、クラウド戦略やガバナンスの管理を行うための組織横断的なチームのことである。

 では、なぜこのCCoEが前提条件として必要なのか。デプロイ王子ことマイクロソフト プロダクトマーケティングマネージャー 廣瀬一海氏は「MITの調査では、デジタルトランスフォーメーションに成功している非IT企業の大半は、CCoEを設置していたという結果があり注目を集めている。マイクロソフトでも、CCoEの設置によってCAFの展開も進むと考えている」と説明する。

 実際にCCoEの活動としては、クラウド共通基盤の整備やデジタル成熟度の高い人材の育成、組織のデジタル・リテラシー向上のための啓蒙活動、事業部門との協同によるビジネスモデルの実現など多岐にわたる。この一例として、ローコードやRPAによる社内業務効向上やクラウドに合わせたセキュリティ、運用、SLA(サービス品質保証)ルールの再定義などを行っているケースがあるという。

CCoEは、各専門分野を担う人材が集まって構成される
CCoEは、各専門分野を担う人材が集まって構成される
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 このCCoEの設置を考えたとき、「全社DXリーダー」「全社IT基盤責任者」「エンジニア・高度専門保有人材」「事業・部門ビジネスリーダー」といった大きく4つにカテゴライズされる人材登用が必要になってくると廣瀬氏は述べる。とはいえ、自社にすべての人材がそろっていて、CCoEの設置と運用も問題なく行えるという企業は少ないだろう。そこで、現実的にはパートナー企業などに支援をしてもらいながら、CCoEの設置を進めることでCAFに沿ったAzure導入・運用が可能になり、自社におけるDXを加速させていくことになるだろう。

クラウドとビジネス戦略の基盤となるCAF

 デジタルトランスフォーメーションを推進するために、オンプレミス環境からクラウドへ移行しようとして失敗してしまう企業は少なくない。当初想定していたコストや運用の負荷が大きくなってしまったり、そもそも社内で導入する目的や意義に対して合意形成が得られていなかったりと準備の段階からつまずいてしまっているケースだ。また、単純にリフト&シフトを行っただけではデジタルトランスフォーメーションにつながらないこともある。

 マイクロソフトの掲げるCAFは、前述したようにCCoEの設置が前提条件として考えられているなど、失敗の要因となりやすい部分をカバーするように構成されている。そのため、自社に必要なビジネス戦略とは何かを策定し、そこに必要なクラウド活用の在り方を方法論と具体的な技術によって指針を示してくれる心強いものとなるだろう。

 ただし、CAFそのものの抽象度は高いためリファレンスを読み解いたり、「Cloud Journey Tracker」などのアセスメントツールを用いたりして自社に必要なものを徐々に把握していくことが大切になってくる。また、CAFを利用したAzure導入などを支援してくれるパートナー企業を活用することも成功への重要な要素となる。

CAFの理解を助けるためのモジュールも用意されている
CAFの理解を助けるため、自習型トレーニング「Microsoft Learn」にCAFのトレーニングコースも用意されている
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 本イベントでパートナー企業代表として講演をしたオルターブース 小島淳氏は「インテグレーションの領域であってもCAFは有効に使えると思います。このCAFというツールは、社会インフラのような広い領域や中・大規模な企業へサービスを提供しているようなお客様が活用の中心になると思っていますが、Webサービスを展開するお客様にもフィットするように展開していきたいと考えています」と述べているように、今後もCAFが活用される場面はさらに広がっていくことだろう。

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この記事の著者

EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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