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あえて保険は売らない。大同生命の経営者コミュニティ「どうだい?」急成長の裏にある「恩返し」と生存戦略

ゲスト:大同生命保険 長谷部隆氏

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 2022年3月のリリースからわずか数年で会員数12万人を突破した、中小企業向けオンラインコミュニティ「どうだい?」。運営するのは、創業120年を超える老舗生命保険会社、大同生命保険だ。なぜ保険会社が、自社商材を直接売らない「非保険領域」のコミュニティ運営に踏み切ったのか。そこには、長年中小企業と向き合ってきた同社ならではの「恩返し」の精神と、将来の市場を見据えた確固たる生存戦略があった。今回は、同社お客さまバリュー開発部長の長谷部隆氏にインタビュー。異例のアジャイル開発体制から本業へのシナジー、そして「どうだい?」が目指す未来像までを、Biz/Zine編集部の梶川が聞いた。

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顧客の「健康」と「経営」を支える。お客さまバリュー開発部の挑戦

Biz/Zine編集部・梶川(以下、梶川):まず、長谷部様のこれまでのキャリアと、現在所属されている部門の役割について教えてください。

長谷部隆氏(以下、長谷部):1998年に入社し、営業と本社のジョブローテーションを経てキャリアを積んできました。大同生命には営業職員組織と税理士代理店というチャネルがあり、私は地方で税理士代理店を担当する組織なども経験しています。2009年に本社に戻り、商品部や企画部を経て、現在のお客さまバリュー開発部に至ります。当部署は一言で言えば「中小企業向けのサービスを開発する部門」です。

梶川:お客さまバリュー開発部は、長らく存在していた組織なのでしょうか。

長谷部:いえ、実は2023年にできた新しい組織です。元々は営業企画部の中にサービス開発を担当する課がありましたが、中期経営計画の進行とともに「室」から、そして「部」へと大きくなってきました。

梶川:「どうだい?」以外にも、様々なサービスを作って提供されているのですね。

長谷部:はい。中小企業のお困り事は大きく「健康」と「経営」の2つに分かれると捉えています。健康領域では健康経営の実践に必要な、知識や人的リソースが不足しがちな中小企業向けに、健康診断の管理から運動支援まで一貫してPDCAを回せる「KENCO SUPPORT PROGRAM」のアプリやウェブサービスを提供しています。

 「経営」の領域は非常に幅広く、例えば震度5強以上の災害時に従業員の安否を確認できるシステムを無料で提供したり、人材採用・育成支援、IT活用のよろず相談などのサービスも提供しています。

大同生命保険 お客さまバリュー開発部 お客さまバリュー開発部長 長谷部隆氏
大同生命保険 お客さまバリュー開発部 お客さまバリュー開発部長 長谷部隆氏

経営者が匿名で本音を語るコミュニティ「どうだい?」

梶川:それでは、メインとなるオンラインコミュニティ「どうだい?」について、どのようなサービスなのか教えていただけますか。

長谷部:「どうだい?」は、中小企業の経営者同士が匿名で相談し、知恵や経験を共有できるオンラインのサービスプラットフォームです。経営に役立つセミナーや記事の提供、経営者同士がつながるための機能も備えています。

梶川:経営者同士のコミュニケーションの場を作られているのですね。

長谷部:現在、全国に中小企業は約300万社あると言われていますが、中小企業経営者は非常に「孤独」なんです。同業他社や利益関係のある相手には本音で相談できないという実態があります。

 経営者がぶつかる悩みは似ているケースもあるにもかかわらず、その知恵や経験が属人化して分断されている。結果として、孤立した中で自分一人で乗り越えなければならない状況があります。そこで、これまで整備されていなかった中小企業経営者の知恵のデータを集約し、匿名・オンラインだからこそエリアやしがらみに縛られずに相談し合える場を作ったという経緯です。

次のページ
「中小企業への恩返し」が非保険領域の新規事業の原動力

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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