連載・コラム 移動データとモビリティDXの最前線

「100年に1度の変革期」のモビリティ業界で事業開発を進められる企業に共通する“3つの特徴”

第3回

 移動データを活用したモビリティDXを多角的に紹介していく本連載。第1回では、世界と日本のモビリティ産業の現状と、MaaSが普及する中でのモビリティ産業の勝ち筋について考察しました。第2回では、モビリティデータとその他のデータを掛け合わせることで生まれる新たな価値を紹介しました。今回は、モビリティデータを活用した事業開発について、スマートドライブ 先進技術事業開発部 ディレクターの石野 真吾氏が解説していきます。

[公開日]

[著] 石野 真吾

[タグ] 事業開発 モビリティ DX MaaS

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モビリティ産業構造の急速な変化がもたらすチャンス

 現在、自動車業界は「100年に1度の変革期」と言われるほどの大きな転換に迫られています。かつて人々の乗り物は、人力車や馬車が主流でした。自動車が誕生し、一気に普及したのがおよそ100年前。CASEの時代ともいわれる現在は、それ以来の大転換期なのです。

100年に一度の変革期

 私は、モビリティデータ(人やモノの移動に関するデータ)を活用したサービスを提供する株式会社スマートドライブで、先進技術事業開発部のディレクターを務めています。自動車メーカー・保険会社・電力会社・鉄道会社・テック企業など様々な業界のパートナー企業と協業して、モビリティデータを軸にソリューション開発や事業開発などを進めることが主な業務です。私の経歴を簡単にご紹介すると、Sansan・Marketo・AdobeといったIT企業で、テクノロジーを活用したセールス&マーケティングを含むビジネスプロセスの仕組み化や、企業間連携によるエコシステムの構築、新しいテクノロジーの国内市場へのGo-To-Marketから市場展開など、テクノロジーを活用した仕組み化や事業開発を行ってきました。

 これまで私が従事してきたIT業界は、インターネットの普及とともにWeb広告やECサイト、そしてWeb上での行動データを活用した事業を行い、オープンなエコシステムを構築することで、データをネットワーク状につなぎ急速に成長しています。

 100年に1度の変革期として産業構造が変化し始めたモビリティ産業でも、人やモノの移動データ(≒フィジカルな世界での行動データ)を活用できる技術や市場環境が整いつつあり、今後IT業界と同様に急速にオープン化や企業間連携が増加していくとみられています。

 第1回で弊社代表の北川も言及していますが、この数年、自前主義や系列主義、業種業界の垣根を超えて、多くのモビリティ産業の企業が積極的にオープンイノベーションに取り組み始めてます。現状の変化のスピードでは、グローバルでの競争力を持つには時間がかかりそうですが、それでもモビリティ産業に関わるあらゆる企業にとって、産業構造の変化は大きなチャンスとなるのではないでしょうか。

 弊社は創業当初から、様々な業界のリーディングカンパニーの皆様と共に、モビリティデータの活用や事業開発を進めてきました。また、コロナ禍の影響でこれまで対面でお話しすることが多かった企業の方々ともオンラインで会話できるようになり、私自身、何百社もの事業開発に関わる方々とディスカッションする機会に恵まれました。

 そして多くの方とお話する中で、先が読めない時代にうまく事業開発を進められている企業には、

  • 自社の強みを活かせる事業開発領域
  • 攻めの共創型パートナーシップ
  • 顧客を起点にしたデータ活用

という共通した特徴があることが見えてきたのです。

 次のページから、それぞれを詳しく紹介していきます。

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