今回の協創は、技術課題の一つであった「小型衛星の次世代ホールスラスタの軽量化・低コスト化」に向け、構成機器である電源に民生技術を活用することで課題解決を図るもの。古河電工が民生品開発で培ってきた熱設計技術や巻線設計技術、GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスの研究等をベースに構築した電源の小型・軽量化技術と、JAXAが培ってきた宇宙環境下における放電制御技術などの研究成果を組み合わせることで、将来必要となる軽量化・低コスト化に係る要素技術の獲得を目指すという。
古河電工は、地球観測・通信分野など衛星コンステレーションへの展開も視野に入れ、2025年度の軌道上実証(目標)、2026年度以降の次世代ホールスラスタ電源の事業化を目指す。JAXAは、民生技術の宇宙適用化にかかる検討を行うとともに、将来のJAXAミッションを支える次世代ホールスラスタへの適用可能性も探っていくとしている。