「BLUE Plastics」プロジェクトは、資源の循環を促進させるデジタルプラットフォームの構築を目指して旭化成が発足した。日本IBMは、IBM Cloud上で稼働するブロックチェーン技術を活用することで、デジタルプラットフォームの構築を支援する。日本IBMのブロックチェーン技術を土台に、回収、ペレット化、成型および最終製品化の各工程を専門とする富山環境整備、メビウスパッケージング、ライオンが協力することで、資源循環社会の実現を加速させていく。
なお、「BLUE Plastics」プロジェクトは、上記メンバーや特定の樹脂に限定されるものではなく、今後幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定だという。
「BLUE Plastics」では、すでにデジタルプラットフォームのプロトタイプが完成しており、下記3つの特徴を有している。
- ブロックチェーンによる認証でリサイクル証明を担保:日本IBMのブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックのリサイクル率を証明。消費者は、スマートフォンのカメラで再生プラスチック製品に貼付してあるQRコード等を読み取ることで、再生プラスチックのリサイクル率を確認することができる。
- リサイクルチェーンの可視化により消費者の安心感を醸成:製品のQRコード等を読み取ることで、リサイクルチェーンとプレイヤーをさかのぼって確認することができる。データはブロックチェーンで管理されており、来歴の透明性を担保することで消費者の安心感を醸成する。
- 消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくり:リサイクル行動にポイントを付すことで、消費者の行動変容を促す。実証実験や社会実装を通じてさらに効果的な仕組みづくりに努め、新たなリサイクル文化の創造を目指す。
「BLUE Plastics」実証実験の概要
実証実験は一般家庭等から廃棄・回収される容器・包装プラスチックを再生した原料(ポリエチレンを想定)を使用したトイレタリーボトルを題材とした取り組みから開始する。すでに完成しているプロトタイプにリサイクルチェーンメンバーの意見を反映し、改良を行ったうえで、2022年3月末までに再生プラスチックを試験的に流通させ、ブロックチェーン上で管理する実証実験を実施する。将来は、デジタルプラットフォームで運用する樹脂の種類や用途も拡大し、同業他社問わず誰もが活用できるオープンなデジタルプラットフォームとして公開し、日本だけでなく、アジアへの展開も見据えて取り組んでいくとしている。