あわせて、中国消費財・流通市場に関する最新スタディ「中国のトラディショナル・リテールはなぜDXできるのか」をまとめている。
スタディでは、近代化が遅れていた中国の「トラディショナル・リテール」に焦点を当て、DREAMnの活用により彼らがどうDXを実現してきたのかを示しつつ、今後の消費財企業の活動における示唆を抽出。なお、ローランド・ベルガーはこれまでも、「中国消費者の今 Post COVID-19における中国市場での成功の鍵」等、中国の消費市場にかかる複数のレポートを公開している。
スタディ要旨
中国の小売市場にて、パパママストアのような中小零細小売店、いわゆる「トラディショナル・リテール」は重要なオフライン・チャネルである。
従来、中国の小売チャネルは、上記「トラディショナル・リテール」と、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の「モダン・リテール」に区分されてきた。
中国の消費者は、都市部のみならず郊外・地方エリアも含め多様化し、より良いもの、ユニークなものを、近くで早く手に入れたいというニーズが高まっている。トラディショナル・リテールも、当該ニーズを踏まえ、更なる成長を遂げようとしている。
一方、トラディショナル・リテールは労働集約的な運営をベースに、アナログで非効率なオペレーションが一般的であり、消費財企業が当該チャネルでデータを活用したマーケティング戦略の構築や効率的なオペレーションを行うことは困難であった。
そこで、アリババ社の子会社であるAli LSTは、2016年にトラディショナル・リテール向けのDXソリューションとしてElectronic Route-to-Market (“eRTM”) solutionsを開発。中国全土への導入を通じ、地方部を含むトラディショナル・リテールのDXを進めてきた。
今回、 Ali LSTとローランド・ベルガー中国オフィス(以下RB)が新たに開発したDREAMnは、eRTMを更に発展させ、消費財企業とトラディショナル・リテール、及び、消費者間の流通フローを複数のデータ指標で捉え、DXを推進するソリューション。
当該ソリューションの導入により、オフラインも含めた小売サプライチェーンは最適化され、トラディショナル・リテールは、モダン・リテールを一足飛びに超え、デジタルを活用した新しい小売業態である「ニュー・リテール」へと進化しうる。