DXは「活躍想像図」からバックキャストする
「開発委託先から上がってきたシステムが思っていたものとまったく違う。だが、それを指摘すると『要件定義書通りに作りました』と言われてしまう。使いづらいしカッコ悪いから修正してと言うと、『そこは指示されていない』『追加費用がかかります』となる。DX案件を進めるにあたっては、こんな失敗の経験が皆さんあるのではないか」
なぜこういうことが起こるのか。どこで間違えているのか。要件定義を満たしているのに「使いづらいしカッコ悪い」システムが出来上がってしまうのは、UIに関する要件定義がなされていないからだと田中氏は言う。UIに関して十分なオリエンやヒアリングがなされていないから、実際には「使えない」無用の長物が出来上がってしまう。
「発注側にはクリエイティブ業務の経験もないし、システム開発経験もない。ただ社内の業務には詳しい。一方、開発委託先にはシステム開発の経験はあってもクリエイティブ業務経験はなく、社内業務にも詳しくない。サイト制作における運用やクリエイティブの視点が漏れているのだ」
提供したいサービス、作りたいサービスがあるのなら「活躍想像図」を描くことがまず大事だという。田中氏による「活躍想像図」とは何か。