この投資は、サステナブルな食糧生産システム構築の実現に向けた連携や、世界的な課題である環境負荷軽減に向けたカーボンニュートラルの推進、アメリカ本国からのフードテック業界の動向のいち早い把握などを視野に入れたものだという。
環境保全活動に伴った持続可能な代替タンパク質や培養肉技術開発の発展
代替タンパク質の全体市場は、米国ではプラントベースのビヨンドミート社、インポッシブルフーズ社が牽引し、大きく拡大している。日本国内でも、コロナ禍における健康志向、また環境に対する意識の高まりから、植物肉は一定の市場規模になることが想定されているという。特に昨今の環境意識の高まりから、既存の畜産は様々な制約から需要量を落としていくことが予想されている一方、発展途上国では経済成長にともない、畜肉供給量が増加している状況があるという。そのため、代替タンパク質については、プラントベースと並行して、培養肉の生産に乗り出すスタートアップ企業も増えてきており、コストの抑制と規制緩和が進むと培養肉についても一定の市場規模になると想定されている。
CD社は、アメリカに本拠地を置くフードテックのスタートアップ企業でロブスターやカニなどの甲殻類の可食部位培養技術を主力事業としている。水産品の多くも気候変動による海水温の上昇による減漁や水産養殖による環境負荷など、将来安定した供給が難しくなる可能性が高く食肉事業と近い課題がある。Future Food Fundは安全性の高い培養肉の研究となるようにリードし、より良い未来の食生活の実現につなげたいと考えているという。