新規開店する「皇居外苑 和田倉噴水公園店」は、日本において環境配慮の様々な観点から新たなソリューションを試験的に導入、検証する「サステナビリティ ハブ(拠点)」と位置づけられている。リソースポジティブカンパニーの実現を目指し、この店舗での複数の実証実験を通じた検証や顧客の声から得たラーニングを蓄積し、今後の店舗づくりに活かしていくという。12月の開業に際しては、特に店舗から出る廃棄物削減の実証実験に軸をおき、リユースを基本とする国内店舗初のサービススタイルを導入。新たなリユーススタイルの提案などで積極的に廃棄物を減らし、国内の通常店に比べ、店舗から出る廃棄物量約40%の削減を目指している。
廃棄物削減を追求するカフェスタイル検証。ドリンク提供は再利用可能なカップを推奨し、使い捨てカップ約75%減へ
スターバックスは、これまでにプラスチック製から、紙製ストローや紙製カップへの切り替えなど、使い捨てプラスチックを削減するアクションを積極的に行ってきた。さらに一歩踏み込んだ削減に向けて、ドリンクの提供を店内利用は、マグや樹脂製グラス、お客様持参のタンブラーやカップ、持ち帰り時は、スターバックスのリユーザブルカップ(特別価格110円(税込))を推奨し、丸の内エリアで実証実験中の「借りるカップ」など、選択肢を増やし、さまざまな飲用スタイルを提案、検証する。これにより、通常店舗に比べ、使い捨てカップ使用量の約75%削減につなげるとしている。
リサイクル素材を積極活用し、循環性を重視したサードプレイス。出店工事の際に出た廃棄物の85%をマテリアルリサイクルへ
店舗のデザインにおいては、環境負荷低減の試みが店内の随所に散りばめたという。天井部や客席エリアのアートは廃棄されてしまうキャンバスや糸、漁網を再利用し制作。天井から下がる照明は、リサイクルガラスや和紙を用いて、それらのハンドクラフト感があたたかみも演出している。店内の家具は、国産木材を100%使用し、古くなったら入れ換えるのではなく、修理しながら長く使い続けることに重きをおく。このほか、コーヒーの豆かすを練りこみ、CO2を固定化したタイル床や、間伐材を使った什器を店内に導入。そして皇居外苑 和田倉噴水公園店では、出店工事の際に出た廃棄物の約85%を、鉄や紙の原材料としてマテリアルリサイクルに回し、残る約15%をバイオマス燃料などにサーマルリサイクルした。
環境配慮の追求を目的に、革新的な新オペレーションを検証
スターバックスは現在、全国の店舗で、フードロス削減を進めている。この店舗では、フードの陳列ケースを設置せず、デジタルサインでフード商品を表示する検証を行い、期限切れフードのさらなる廃棄削減を試みるという。さらに、スターバックスでは、全ての路面直営店舗において、再生可能エネルギーへの切り替えを完了しており、皇居外苑 和田倉噴水公園店においても再生可能エネルギーを導入。さらに、この店舗では、自律分散型水循環システムを開発するWOTAと協業したクリーンステーションを店舗内にスターバックスとして初めて導入し、手洗い時に使用する水の98%以上を循環利用。また、店内には、エネルギー消費量やスターバックスのコーヒー生産地での取り組みを動画で表示するなど、サステナビリティ ハブとして、様々な検証、発信を行っていくという。
より環境負荷の低い「Greener Stores」を、全世界で2025年までに10,000店舗展開
「Greener Stores Framework」は、世界自然保護基金(WWF)などの専門家とともに設計するもので、スターバックス独自のサステナブルなコーヒー調達ガイドライン「C.A.F.E.プラクティス」の第三者認証機関でもあるSCS Global Servicesがその監査と認証を行うとしている。CO2排出量、水使用量、埋め立て廃棄物の削減を達成する、より低負荷の店舗づくりを加速するためのもの。店舗の耐久期間を延ばし持続性を保つため、以下8つのフレームワークをもとにしており、環境への影響を低減。
北米ではすでに2,300店舗に「Greener Stores Framework」の導入が完了しており、アジアでは9月に上海で中国1号店が開業。今後、英国や南米・チリでの開業も予定。2025年までに全世界で10,000店のグリーナーストアの展開を目指すという。日本においても、皇居外苑 和田倉噴水公園店をきっかけに、2022年10月以降の新店はこの基準を満たしたグリーナーストアの開業を順次目指していくと述べている。