旭化成と旭化成ホームズは、旭化成グループの社内ベンチャーによる「株式会社コネプラ」の設立を発表した。
新会社の概要
- 会社名:株式会社コネプラ(Connect Platform Inc .)
- 設立:令和4年4月1日
- 役員:代表取締役社長 中村 磨樹央
- 資本金:1.5億円
- 主な事業内容:コミュニティ醸成支援、マンション運営支援、アプリ開発・OEM受託開発、コンサルティング
- 所在地:千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
設立経緯
旭化成ホームズは、2021年度を最終年度とする中期経営計画の戦略コンセプト“Challenge&Growth”を支える柱の一つとして「拡大への挑戦」を掲げ、新規事業創出を目指す「Challenge&Growthコンテスト」を開催し、旭化成ホームズグループ全体で検討を続けてきた。今回設立した新会社はその取り組みより誕生。新会社設立に先駆けて、マンション入居者限定のSNSを介した交流空間で、情報交換やモノのお譲りなどを実施することで入居者のコミュニティを醸成するプラットフォーム「GOKINJO(ゴキンジョ)」を、クレヨンと共同開発し、アトラス加賀の入居者向けに2020年9月より実証実験として運用を開始している。同様に2023年2月に竣工予定のアトラスシティ世田谷船橋でも運用することが決まっており、今後、マンションや狭小地域を中心に、「コミュ二ティ」を軸に広く一般社会で本サービスを展開していくことを視野にいれているという。この事業展開に向け、協働パートナーのクレヨンからCEOの森屋大輔氏を最高技術責任者として招聘し、また、GOKINJOのプロジェクトリーダーであった中村磨樹央氏を代表取締役として、新会社を設立。なお、アトラス加賀への「GOKINJO」実証実験の取り組みは、第15回キッズデザイン賞を受賞している。
一方、旭化成では、グループ横断で多様なアプローチでの新事業創出に取り組んでいる。2019年4月からはマーケティング&イノベーション本部(現:マーケティング&イノベーションセンター)を設立し、社会・顧客の課題を起点に新事業やビジネスモデルの創出を目指しているという。そのため、社内でイノベーションを起こす体制を整え、必要な経営資源、グループ内外のネットワーク、スタッフ機能などを効果的に「Connect(連携)」させて活用し、新たな事業を創出する可能性を広げている。今回の新会社設立においても、旭化成グループの様々な人員、アセットをConnectして価値創造しており、同時に、旭化成グループが手掛ける「住宅」領域における課題をマーケティングアプローチで発見し、顧客検証や解決策の提示を繰り返しながら、ビジネスモデルを構築することで事業化に至ったもの。
コネプラが提供するサービス「GOKINJO」概要
専用のアプリを利用した情報交換や、モノの譲り合いなどを通じて、以下を目的としたサービス。
- ご近所同士で交流し、最適なつながりをつくることで、マンションの住み心地を良くする。
- 管理組合、管理会社からのお知らせ機能や防災機能を通じて、マンションの自治・管理能力を向上させる。
- 持続可能なマンションコミュニティを支援し、ソフト面から、マンションの資産価値向上につなげる。
対象ユーザーは、同じマンションの入居者、管理組合、管理会社等としている。
主な活用シーン
- 入居者:「知りたいコト」や「シェアしたいモノ」、「ちょっと手を借りたいコト」が出てきた際に本アプリに投稿をすることで、同じマンションに住む住民同士で協力をし合う。
- 管理組合・管理会社:「停電の情報」「理事会からのお知らせ」など、これまでアナログ掲示板に掲載していたような内容を、アプリを通じてタイムリーに行う。非常時の情報発信や安否確認をスムーズに行う。
「GOKINJO(ゴキンジョ)」の特長
- 不特定の相手ではなく、同じマンションの入居者限定としたことで、交流相手への信頼性を確保:アプリ利用者を入居者限定としたクローズな交流空間となっており、アプリ内での発言に信頼感が生まれる。また、ご近所さん同士という意識から、建設的かつ有用な発言も多く、特に、子育て世帯や平日の日中は仕事で忙しい共働きの世帯を中心に、好きな時に使えて、有益な情報をいつでも交換・得ることができる。
- 持続可能な社会づくりに貢献することができる:育児用品などの使用期間が短いモノや、ハンガーなどの日用品の入居者間での再利用、またこれまで紙で配布していたマンションからのお知らせの削減などを通じて「リユース」や「リデュース」が促進され、持続可能な社会づくりへ貢献することができる。
- コロナ禍でのコミュニケーション促進に寄与:長期化するコロナ禍において、対面でのコミュニケーションが制限される中、新住居や地域、子育ての悩み等、同じ状況を共有できる仲間を得られ、非接触でのコミュニケーション環境を得ることができる。
- 持続可能なマンションコミュニティを形成するための「リアルイベント」開催:コミュニティ形成には、デジタル手段の提供だけでなく、リアルの場における「顔が見える」機会の活用が重要と考えている。主にアプリ導入初/中期を中心に、リアルの場で様々なイベントを開催します。顔の見えるお付き合いを通じた、きっかけづくりや信頼構築を促進することで、持続可能なマンションコミュニティの醸成に寄与する。
- 高い利用満足度と利用率:ユーザーから高い満足度を獲得しており、アクティブ率も高く、必要不可欠なツールとの声があがっている。