横河電機とNTTドコモは、自律制御AIをクラウド上に置き、ドコモの5Gを介してプラントを模したシステムをリモート制御する実証実験を行い、遠隔操作における5Gの実用に向けた有効性を確認したと発表した。
同実証実験では、共同実証実験の合意に基づき、クラウドにFKDPPを搭載し、制御を検証するための装置である「三段水槽」を、5Gを介して制御できるかを検証。目標水位を決めて、低速から高速の制御周期(どのくらいの頻度で制御を実行するか)での実験を行い、通信遅延がFKDPPによる制御に与える影響を調査した。
結論として、特に高速の制御において5Gは4Gと比較して「通信遅延が小さいこと」「目標水位に対しオーバーシュートが小さいこと」「0.2秒程度までの制御周期に対応しうること」が確認できたという。これは、5Gがより良い制御を実現し、品質の安定や省エネルギーに寄与することを示しているという。
同社らは今後、産業において5G活用を促進する5G-ACIA(5G Alliance for Connected Industries and Automation)に加盟しており、プラントにおける5Gの有効利用について検討し、活用を促進するという。また、様々な顧客のプラントにおいての実証も視野に入れ、長期間稼働させた際の通信の信頼性や遅延の変化などを確認していくことで、5Gを活用したAI自律制御の実現に取り組んでいくとしている。