昭和電工のグループ会社である昭和電工マテリアルズは、5月30日~6月3日で開催された「日ASEANビジネスウィーク2022」に参加し、半導体材料グローバルサプライチェーン強化に関する取り組みを紹介した。
日ASEANビジネスウィーク2022とは、経済産業省や日ASEAN地域関係機関などが主催するシンポジウム。ASEAN地域におけるビジネスの現状や今後の可能性を考察することを目的に、年次で開催されている。その中の「サプライチェーン強靭化・高度化を通じた日ASEAN一体となった成長に向けて」のセッションでは、登壇各社による取り組み事例の紹介や、パネルディスカッションが実施された。
そこで同社は、昨今の原材料不足や米中貿易摩擦などによる、半導体材料サプライチェーン上のリスクや、製造過程の環境負荷に関する顧客への情報開示、強制労働など人権侵害を行っていないことの保証などに対し、自社だけでなくサプライヤーなども含めた対応が求められることを説明したという。
加えて、営業部門を窓口にした従来のコミュニケーションに加え、会社全体で課題を可視化・共有するという行動が求められていると説明。これらの課題に対応して、同社の半導体材料事業では、サプライヤーから顧客までに至るサプライチェーン情報を一元管理するデータベースを構築し、リアルタイムでの重点リスクの計測や、リスク対応を含めた事業判断のスピード向上、事業最適化などを目指すとしている。
社内だけでなくサプライヤーや業界団体とも連携し、課題に応じて柔軟なコミュニケーションを行うことが大切だとし、同社は将来的に、今回構築するデータベースを介してサプライヤーと最新データを双方で共有することで、サプライチェーン全体のリスク低減や効率化を図る計画だという。これにより、グループの半導体材料事業を強化し、日本の半導体材料産業全体の競争力の維持・強化に貢献すると述べている。