TISは、事業会社とスタートアップとのビジネスコラボレーションを目指す「TIS共創イノベーション・コンソーシアム」において、5G等の次世代通信技術をテーマにPoCの実施を発表した。
このコンソーシアムは、TISがこれまで蓄積してきた顧客とのネットワークをベースに、社会的に解決が求められるテーマを設定し、様々な企業の参加のもとエコシステム形成を支援するもの。今回は「5G/ローカル5G等の次世代通信技術」をテーマとし、5G技術を活用したサービス・ソリューションを検討するパートナー企業、スタートアップ企業それぞれ5社、計10社が参加して、各社の技術とアイデアを組み合わせ3組のPoCを実施している。
なお、今回のPoC実施にあたり、東京都立大学が、同大学の保有するローカル5G環境を検証環境として提供している。
活動概要
- 活動テーマ:5G/ローカル5G等の次世代通信インフラを活用するサービス創出・事業検証
- 活動期間:2021年11月~2022年4月
- 参加企業:J&J事業創造、凸版印刷、富士通、丸紅ネットワークソリューションズ、Tスクエアソリューションズ、AMATELUS、Synamon、Piezo Sonic、VRC、フューチャースタンダード
活動内容(PoC実施内容)
自律走行ロボット「Mighty」を活用した商品配送、及び映像データの活用検証
- 参加企業:PiezoSonic、富士通、東京都立大学
- 実施内容:東京都立大学のローカル5G環境下で、自律走行ロボットによる屋内外をまたがる物資配送を検証。ローカル5Gのアンテナがハンドオーバーする箇所を重点に走行し、ロボットに搭載するカメラ映像をローカル5Gにてリアルタイム取得し、画質や遅延等を検証
- 今後の方針:ロボットに搭載するカメラやセンサーから取得するデータを高精細・低遅延で取得し、遠隔操作やAI映像解析等での活用に繋げていく
ローカル5Gを活用したAI映像解析プラットフォーム「SCORER」の稼働検証
- 参加企業:フューチャースタンダード、東京都立大学
- 実施内容:AI映像解析におけるローカル5Gの有用性を検証するため、東京都立大学のローカル5G環境にてミリ波・Sub-6それぞれで映像取得を行い、AI映像解析の精度を検証。4G LTE環境より優れた特性を確認
- 今後の方針 工事現場や山間部のような高速回線が敷設しづらい場所でもローカル5Gを活用したAI映像解析ソリューションを提供していく
3Dアバターソリューションを利用した苦痛スクリーニングへの有用性検証
- 参加企業:VRC、セガ エックスディー、Tスクエアソリューションズ
- 実施内容:医療機関での苦痛スクリーニングの手法として、3Dアバターの有用性を検証するため、医療関係者に対して3Dアバターを生成し、患者とのコミュニケーション促進・スクリーニング活用できるかを調査
- 今後の方針:医療関係者からのヒアリング結果を元に、苦痛スクリーニングに適したサービスモデルの検証を行う
TISは、このコンソーシアムのPoC成果を踏まえて、スタートアップ企業への出資やTISを含むパートナー企業とスタートアップ企業との継続的な協業による新規ビジネスの立ち上げなどを目指すという。
さらに「TIS DIGITAL Innovation Center」を活用し、顧客やパートナー企業、TISインテックグループ各社と最新技術を活用したサービス・ビジネスを共創し、社会課題の解決に貢献するとしている。