SAPジャパンは、企業のサステナビリティ経営を一気通貫で支援する「サステナビリティサービスパッケージ」を提供開始した。
同社は、2009年にサステナビリティに関する取り組みを開始し、Exemplar(実践例を示す立場)として自社におけるサステナビリティの取り組みを推進するとともに、Enabler(実現を支援する立場)としてサステナビリティ関連製品・ソリューションの開発に取り組んできた。
SAP自身の取り組みは、「気候変動への対応:CO2排出ゼロ」「循環型経済への対応:廃棄物ゼロ」「社会的責任への対応:不平等ゼロ」に加えて、これらを包含的に把握するための「統合的な意思決定・レポーティング」といった4つの切り口で推進されており、顧客に提供する製品・ソリューションも、これらの切り口に対応した形で開発されているという。
現在SAPは、企業の製品およびバリューチェーン全体のCO2排出量を品目単位で計算・管理できる「SAP Product Footprint Management」を提供しているが、2022年5月に開催した『Sapphire Orland』において、同ソリューション拡張の新たな方向性を発表した。
企業が管理するサプライチェーンが、複数の産業部門にまたがり、異機種混在のネットワークやソフトウェアで構成されていることが多いことを踏まえ、企業間でのカーボンデータ連携用APIを、SAP Product Footprint Management上に搭載していくと述べている。
ただ、サステナビリティ経営の実現に向けてSAPソリューションを導入していくためには、自社の置かれた環境や取り組むべき方向性を整理し、国内の法規制なども考慮した計画の策定・実行が重要だという。今回発表したサステナビリティサービスパッケージは、サステナビリティ経営の実現に向けた計画策定からソリューション導入運用までを、総合的に支援するものとなっている。具体的には、下記のステップで支援を行うとしている。
- サステナビリティアドバイザリー:デザインシンキング方法論を使用したワークショップ(オンラインまたはオンサイト)を通じて、サステナビリティに関する顧客固有の目標とユースケースを定義し、優先順位を設定して、計画を策定
- サステナビリティアセスメント:サステナビリティ戦略(実現したい目標)と実行(技術的な実装)の間のギャップを埋めるためのアクションプランを定義する。サステナビリティに特化した全体分析を実施し、データ、プロセス、統合を評価して、個々の導入ロードマップ策定を支援。「気候変動への対応」「循環型経済」「サステナビリティレポート」「製品コンプライアンス」「環境」「安全」「衛生」といったスコープに対応可能
- サステナビリティ導入:標準機能による最低限の構築作業を行うクイックスタートサービスにより、早期の機能活用を実現。SAP Product Footprint Managementのほか、サステナビリティに関する非財務情報の管理を可能にする「SAP Sustainability Control Tower」、持続可能な製品設計を通じて企業の循環型経済への移行を促進する「SAP Responsible Design and Production」に対応