富士通は、スーパーコンピュータ「富岳」のクラウド環境で同社の電磁波解析ソリューション「Poynting for Microwave(以下、Poynting)」を動作させ、宇宙分野や都市交通での最新の社会課題に対する大規模電磁波シミュレーションを2022年1月から3ヵ月間実施し、2022年7月にかけて、クラウドサービス化の有効性を確認した。
宇宙分野については、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA) 宇宙科学研究所において、X線宇宙望遠鏡における電磁波干渉問題の定量評価を実施。また、交通分野においては、同社にて複雑な形状の設置物の影響まで考慮した5Gにおける路車間通信の品質評価を行ったところ、これまでの近似解法では不可能だった複雑で大規模な電磁波問題に対して、HPCクラウド環境を活用することで厳密なシミュレーションを可能にすることを確認できたという。
同社は、「Poynting」の高精度な電磁波解析能力を活かした電磁波障害対策やコンサルティングなどのサービスを、高度なコンピューティング技術を誰でも容易に利用できる「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」の一つとして2023年度に提供することを目指す。そして、サステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」のもと、人と地球が共存し持続可能な成長を支える「Sustainable Manufacturing」の取り組みを進めていくとしている。