Zebras and Company(ゼブラ アンド カンパニー/以下、Z&C)は、「知」による出会いを生む、SNS機能も搭載した次世代メディア「esse-sense」を運営するエッセンスに対し、テクノロジーによる社会的インパクトの創出、および組合型株式会社という経営形態によるゼブラ企業経営の体系化への学びを期待し、出資契約を締結した。同出資は、Z&Cとしては3社目のゼブラ企業投資となる。
出資にあたり、Z&Cはエッセンスに対し、下記4点の社会的インパクト、およびZ&Cのセオリー・オブ・チェンジ(TOC)への重なりを期待しているという。
1:Knowledge Techが叶えるテクノロジーによる社会課題解決の事例
エッセンスは、esse-senseが持つ、研究者取材によるメディアのコンテンツと読者、研究者とのつながり、それらをつなげるアルゴリズムにより、研究者の専門知へ誰もがアクセスし、研究者への知のフィードバックの流れを作ることで、分野ごとに分かれた研究者をつなげ、新たな知が生まれ続ける知のプラットフォームを実現。研究者がストレスなく知を広げられる社会の実現を目指しているという。
このビジョンが実現されることで、日本の研究者が社会から孤立し、知の活用や評価がされないことで日本の才能が眠ったままにならず、世界に解放される可能性を持っているとしている。
また、代表である西村氏自身が、今も大学・研究機関での職務にも携わり、研究者と共に歩んできた立場からの視点で作られたesse-senseが、テクノロジーによる課題解決の事例になることに期待していると述べている。
2:「コンテンツ+SNS機能+人と情報をつなぐアルゴリズム」というシステムによるWebメディアの進化
紙媒体からWebメディアへの移行、SNSの台頭、オウンドメディアの一般化という流れがある中で、esse-senseが専門知へのアクセスの実現を挑戦する中で作られたシステムは、研究者と知や人をつなげるほか、良質なコンテンツを抱えるWebメディアにとっても知と人をつなげるコミュニティ作りにつながると、Z&Cは捉えている。
esse-senseのシステムがCMSとして他社にも導入されることで、属人性の高かったコミュニティマネジメントをシステムによって補完できる可能性を持ち、オンラインコミュニティマネジメントの新しい一手となりうることを期待しているという。
3:「組合型株式会社」という経営形態からの学び
エッセンスは株主の出資金額に拠らず、出資者一名に対し議決権のある普通株1株を配分し、全株主が1票を持ち全員で経営判断を行う組合型株式会社という経営形態を採用している。
また、普通株価格以上の出資金額にはそれに応じた優先株を渡し、利益が出た場合はそれに応じた配当を分配することで、出資というリスクテイクに応じた金銭的リターンも設計。
Z&Cも、ゼブラ企業経営における、ステークホルダーとともに経営する手法の一つとして組合型株式会社に注目しており、今回の出資によってその経営に実際に参加することで、ゼブラ経営の体系化につながることを期待していると述べている。
4:連続起業家というゼブラ起業の可能性
Z&Cが1年ほど活動する中で見えてきたのは、連続起業家の可能性だという。何度も会社や事業を立ち上げ、失敗した経験、一定の規模まで成長させた経験を持つ経営者がゼブラ企業を起業することは、経済性の成功確率が高い状態になるため、ゼブラ起業の成功確率を上げることにつながる可能性があるとしている。
起業家が個人の能力資本により起業し、そこから生まれた関係資本をベースに資金調達することで金融資本に転換し、新しいゼブラを起業することで、さらに社会資本を作っていくという流れが、一つのゼブラ起業のスタイルになることを期待しているという。