北海道電力とアバナードは、火力発電所におけるDX推進の一環として、Mixed Reality(MR)を活用した巡視点検業務用のアプリケーションを共同で開発、使用開始を発表した。
今回開発した巡視点検アプリは、マイクロソフトの「Azure Spatial Anchors」により空間認識を行うことで、GPS・ビーコンなどといったデバイス・インフラ環境を整えることなく、「Microsoft HoloLens 2(以下、HoloLens 2)」とクラウドサービスだけで約2kmにわたる広範囲な巡視点検のナビゲーションを実現している。発電所員は、HoloLens 2内に表示された順路に沿って移動していくことで、現在地に対応した作業指示や参考資料を自動的がHoloLens 2に表示され、巡視点検のサポートを受けることができる。
この巡視点検アプリを活用することで、効率的な技術継承に加えて、技術レベルの標準化により設備の異常兆候を早期検知でき、発電所の安定運転が可能となるという。
両社は今後、北海道電力の他の主要な火力発電所への本巡視点検アプリの導入に向け準備を進めるとともに、他の発電事業者への展開を進めていくとしている。