富士通Japanは、病院のDXを加速するため、電子カルテシステムと医事会計システムをクラウド化した500床規模の大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービス「Fujitsu ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX Cloud」を、8月1日より提供開始する。
同サービスは、クラウド化によりAI問診など外部サービスとの連携に必要なWEB-APIが利用しやすくなるため、患者サービスの向上や院内業務の効率化、および病院経営の改善に貢献。次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIRに対応しており、医療情報連携の強化と診療データの利活用を促進するとしている。なお、2027年度末までに200医療機関への導入を目指すという。
サービスの特徴は以下のとおり。
次世代医療情報交換規格のHL7 FHIRに準拠
クラウド化によりWEB-APIが利用しやすくなるほか、厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(Standardized Structured Medical Information eXchange)において策定された規約であるSS-MIX2、および次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIRにも対応している。
富士通データセンターを基盤とするセキュアで業務継続性を強化したシステム
日本品質保証機構が定める「データセンター安全対策適合証明」を取得した富士通のデータセンターで運用することにより、安心・安全なクラウド型電子カルテサービスとして提供。データセンター内においてハードウェアの二重化やフェールオーバー機能の搭載などのほか、災害時の回線不通対策として複数キャリアを用いた回線の二重化や電子カルテデータを参照できる専用サーバを院内に配置することで、業務継続性を強化したという。
システムのトータルコスト削減と保守スタイルの変革
電子カルテや医事会計サーバをクラウド化することで、同ソリューションのオンプレミス型と比較して約50%程度サーバ数を削減可能。初期投資だけでなく、サーバ管理費、電気代、サーバルームの空調維持費など稼働後の運用までトータルでシステムコストを削減できるという。また、システムの導入手法、電子カルテシステムの各種設定に関わるマスタ、医師や看護師の入力を支援するテンプレートをはじめとするコンテンツ群を活用。システム導入時の顧客の準備作業を軽減し、プロジェクト開始からシステム稼働までの期間を短縮するとしている。
富士通Japanは今後、同サービスの提供範囲を大規模な病院へと拡大するとともに、WEB-APIを活用した様々な医療・健康サービスを拡充。クラウド利用により柔軟なシステムリソース配分が可能になるため、ハードウェアやサービスなど日々の利用実績に応じた従量課金サービスも提供予定だという。