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アサヒ飲料が取り組むサプライチェーン改革──生産・物流の全体最適化実現に向けた“4つの取り組み”

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100年ブランドを次代につなげる経営基盤を確立する

 アサヒグループの中で清涼飲料を取り扱うアサヒ飲料。約2兆2,000億円というグループの売上の中で16%を占めている同社は、「社会の新たな価値を創造し、我々の『つなげる力』で発展させ、いちばん信頼される企業となる」というビジョンと、「100年のワクワクと笑顔を。」という社会との約束を掲げ、事業を展開している。

 アサヒ飲料は1982年設立だが、三ツ矢サイダー、カルピス、ウィルキンソンという100年以上続く3つのブランドを有している。これら“100年ブランド”を強固なものとして成長させ、次代につなげていくために、「ブランドを磨き、ブランドで挑む」「新しい価値を生み続ける」「しなやかで強い経営基盤を確立する」という3点を強化することを目指している。

 このうちの「しなやかで強い経営基盤を確立する」の一翼を担うのが、小野澤氏も取り組むSCM(サプライチェーン・マネジメント)だ。アサヒ飲料は、生産・調達・物流のトータルコスト管理と安定供給を目的として、2020年にSCM本部を設置。SCM本部は、原材料や資材の調達、デリバリーを担う「調達部」、需要予測、生産計画、配送計画を担う「SCM部」、中長期計画や部門横断でのトータルコスト管理を担う「SCM企画部」という3つの部署を束ねている。

 品質や安全、環境や社会との共生を担保しつつ売上・利益の最大化を達成するため、SCM本部では、以下の3つの全社を通じた最適化をミッションとして掲げている。

  1. 成長を支える安定供給
  2. 欠品も過剰もない需給
  3. コスト効率

 小野澤氏は、このうち「1.成長を支える安定供給」と「3.コスト効率」達成のためにCoupaをはじめとするツールを導入し、サプライチェーンの改革を実行している。

 では、アサヒ飲料はどのような課題からサプライチェーンを改革しようとしているのか。

 飲料業界の繁忙期は夏だが、記録的な猛暑となった2018年7月と8月、同社は運搬用のトラックの不足により、一部の顧客からの注文に応えられないという事態が発生した。それを受け、サプライチェーン改革の重点テーマとして、「需要予測の高度化」「廃棄損の削減」「システム再構築」「輸送ネットワークの再整理」「繁閑差を補う保管パートナーシップの構築」を設定した。これらをSCM改革プロジェクトとして、2020年のSCM本部設置とともに具体的に活動を開始した。その具体的な取り組みの1つがCoupaのソリューションを活用した最適化シミュレーションだ。初期的にはコンサルティング会社の支援も受けつつ、2020年の第4四半期以降はアサヒ飲料が単独で最適化シミュレーションを行い、中長期的なSCM戦略を立案している。

 この概要を踏まえ、小野澤氏は具体的な取り組みについて説明していく。

アサヒ飲料株式会社 SCM企画部 プロデューサー 小野澤次郎氏
アサヒ飲料株式会社 SCM企画部 プロデューサー 小野澤次郎氏

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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