ガートナージャパン(以下、Gartner)は、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表した。同ハイプ・サイクルでは、未来志向型と捉えられるインフラストラクチャを中心とする36のテクノロジーや、トレンドとなっているキーワードを取り上げている。
日本に特化した同ハイプ・サイクルでは、新たにメタバース、自律分散型組織、都市型エアモビリティ、デジタルヒューマン、ソフトウェア定義型自動車の5項目を追加。メタバースとともに現在注目が高まっているNFT(非代替性トークン)とWeb3も「過度な期待」のピーク期に位置付けられている(図1参照)。
メタバースは、先日発表した「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」では黎明期に位置付けられているが、今回は「過度な期待」のピーク期に位置し、日本ではグローバルよりも早い段階で過度な期待が寄せられていることを示している。
Web3は、メタバースの中で価値や権利のやりとりを可能とする点において中核的な位置付けとなり、NFTの活用機会などをもたらす新たなプラットフォームと位置付けられている。Web3によって、インターネット規模で非中央集権型の取引・やりとりを自由に進められる仕組みが広がれば、中央集権型を取る現在の社会が大きく変わる可能性があるという。
自律分散型組織(DAO)は、人、マシン、企業、他のDAOとビジネス上のやりとりを行う、ブロックチェーン上で自律的に動作するデジタルの集合体。既存の組織の運営法に影響を及ぼす可能性があるため重要であり、日本でも期待が高まっているとしている。
ソフトウェア定義型自動車(SDV)は、コンセプトだけでなく具体的なテクノロジーを伴ったアーキテクチャや実装、オペレーションの総合的な議論と実践を支える重要なキーワード。ハードウェア中心のものであった自動車は、ソフトウェアで定義されたサービス・デリバリのためのシステムへと変わることを意味するという。