なぜDNPはスポーツビジネスに参入したのか
──まずは仲谷さんが部長を務められているスポーツ事業推進部について教えてください。
仲谷昌也氏(以下、敬称略):スポーツ事業推進部は、ABセンターというDXを通じて中長期での新規事業創出を担う組織の中で、2022年4月に立ち上がった部署です。データ流通による事業化を目指すテーマの1つとして取り組んでいます。
スポーツ市場をターゲットに事業開発を進めており、現在は「DNPスポーツ情報管理サービス」と「CHEER-FULL STADIUM チアスタ!」というサービスを提供しています。その他にもeスポーツ事業やスポーツ観戦を盛り上げる情報配信サービスの開発を進めています。新規事業開発のフェーズとしては、0→1から1→10に移行しはじめており、これからビジネスを拡大させていこうとしているところです。
──なぜDNPとしてスポーツビジネスに参入することにしたのでしょうか。
仲谷:スポーツ庁が、2017年発表の「第2期スポーツ基本計画」、2022年発表の「第3期スポーツ基本計画」で、2025年までに市場規模を15兆円まで拡大させると宣言しています。健康寿命を延ばすためにもスポーツが大事だという考えも広まってきました。また、DNPには、プロ野球球団のファンクラブ運営やグッズ製作のお手伝いなど、スポーツ関係のクライアントを支援してきた実績があります。スポーツ市場の成長やあらゆる角度からスポーツへの世間の関心が高まっている点、DNPに元々スポーツビジネスの知見があった点を背景に、自社でスポーツビジネスを開発・展開していこうとなりました。
──仲谷さんご自身はどのような経緯で現在のポジションに就かれたのですか?
仲谷:数年前からスポーツに限らず新規事業となるテーマを検討しており、様々な企業とのディスカッションを経て、「スポーツ」が残りました。そこから事業開発を推進していき、2019年には「DNPスポーツ情報管理サービス」をローンチしています。更にこの領域でのビジネスを広げていくことになり、4月に名称を一新しスポーツ事業推進部として部長を務めています。