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サイバーエージェント、AI技術の研究開発組織「AI Lab」発の論文が「IJCAI2023」に採択 

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 サイバーエージェントは、人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の藤本悠雅氏・蟻生開人氏・阿部拳之氏らによる論文が「IJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence)2023」に採択されたと発表した。

 IJCAIは、人工知能分野における国際会議の一つ。「NeurIPS」「ICML」「KDD」などと並んで、人工知能分野で権威ある国際会議だという。今回、AI Labから採択された論文は、2023年8月にマカオで開催される「IJCAI 2023」で発表されるとしている。

 なお、同研究はAI Labが独自のプロジェクトを持つ若手研究者と共に目的を設定し、共同で研究を行う「協働研究員制度」による成果だという。

研究概要

 今回採択された論文「Learning in Multi-Memory Games Triggers Complex Dynamics Diverging from Nash Equilibrium」では、各意思決定主体が過去の行動を記憶して次の行動を決定できる能力を持つ状況下(次図参照)での学習について発生する現象について明らかにしたと述べている。

 図で表しているように、行動を記憶する「メモリ」を導入することは、各意思決定主体がより柔軟な意思決定を行うことを可能にする。一方、メモリの導入が同時に複雑な意思決定にもつながるため、メモリを導入した際の意思決定主体の学習過程を理解することは非常に困難な課題となっているという。

 同研究では、まず2つの学習アルゴリズムを提案し、それらのアルゴリズムを統一的な枠組みで捉えられることを示した。次に、これらを用いた場合に、メモリを持つ意思決定主体同士が互いに複雑な戦略を取りながら、両者にとって最適な状況からむしろ離れていく挙動を示すことを確認したとしている。

 この現象は、メモリの導入によって引き起こされる特有の問題であり、より複雑な意思決定モデルを用いた際に発生する可能性がある問題を提起しているのだという。

今後

 同研究は、意思決定主体がより柔軟な意思決定を行うため過去の行動記憶である「メモリ」を導入して学習を行った際に、両者にとって最適な状況からむしろ乖離してしまうという理論的に新しい問題を提起した。この問題を解決することによって、上記の柔軟な意思決定主体が最適な状況を学習できるようになることが期待されるとしている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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