デロイト トーマツ コンサルティング（以下、デロイト トーマツ）は、所属する全コンサルタント約5,000人が生成AI（ジェネレーティブAI）の専門知識・活用ノウハウを獲得し、顧客に提供するための体制整備を加速すると発表した。

　これにより、あらゆる業界の企業の業務における生成AIの適切な利用をサポートしていくと述べている。

　これまで、デロイト トーマツは早期よりデロイトの各国ファームと協力し、生成AI技術の検証・把握をしてきた。各業界の企業への適用可能性をビジネス視点で評価すると共に、先行する企業へのサービス提供も行ってきたという。

　また、生成AIの主要プレイヤーが立地する米国にて、デロイトは生成AIエンジンを開発する企業と協力体制を構築しているという。顧客ニーズ拡大に対応するために、テスト環境の構築・技術チームを含めた密接な関係性を確立していると述べている。

　日本においても、生成AIの登場前から企業のAI利活用が加速していることが、デロイトの2022年の世界調査で示されている。この環境下で、デロイト トーマツは多くの日本企業が生成AIの各エンジンを利用する導入フェーズから、特定業務向けの活用や、自社専用生成AIの構築へと急速に進展していくことを見込んでいるという。

　生成AIは、コンサルタントの仕事も変えることが予測されているとしている。その影響範囲は自らの業務の効率化だけでなく、顧客への価値提供にも及ぶ。コンサルタントは従前より培った業界などの深い知識と経験に基づき、生成AIの利用可能性に照らして、個々の顧客の機能・業務単位での適用や具体的なAIエンジン利用を提案・実装することで、ビジネス成果の最大化に貢献することが期待されているという。

　このように、生成AIを業務に適用するためには、技術の詳細からビジネスや業界の知識・ユースケースまで理解が求められており、これらをコンサルタントが獲得するためにデロイト トーマツは全社での体制構築を6月から加速。具体的には、生成AIリテラシーや活用スキルに関する教育プログラムの拡充、自社利用環境の整備・拡大、サービス提供スキームの再構築や、ツール開発を実施していくという。また、顧客への新たなサービスの創造や知見共有の強化にも取り組むとしている。

　すでに各AIエンジン開発元が用意する習熟プログラムに加えて、独自の社内教育で生成AIの活用を実施しており、生成AIの持つ生産性向上をコンサルタントが身をもって体験することで、各コンサルタントのスキル獲得を促進していると述べている。