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デザイン・イネーブルメントによるDX推進

デザイン・イネーブルメントのOSとしての「デザイン組織」──対象とするデザイン行為や態度とは?

第2回

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 前回は、デジタルネイティブなプロダクトの特徴、それに必要となるデザインの変化、デザインが対象とする守備範囲の拡張と行為者の変化から、筆者が主張する「デザイン・イネーブルメント」に関して概要を解説しました。今回は、拡張されたデザインの守備範囲がもたらす企業活動に与える影響、デザイン・イネーブルメントの実践に必要な考え方や活動を紹介、解説します。

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デザインを補助的な役割にすることで、デザインは拡張する

 デザインという活動が目指す「より良い状態」は、前回の記事で解説したようにその行為の主体によって変化します。加えて、その主体は、個人や組織という異なる階層に分けることができます。

 このような階層関係を踏まえたものごと整理をする際に非常に役立つ考え方として「ペース・レイヤリング」というものがあります。

ペース・レイヤリング

 これは、『The Last Whole Earth Catalog』の編集及び制作者として有名なステュアート・ブランドが、『How Buildings Learn: What Happens After They're Built』において提唱した考え方であり、それぞれ活動の速度が異なるレイヤーが同時に存在するシステム全般を捉える考え方として普及しました。元々は建築の分野から生まれた考え方ですが、時を経る中で、さまざまな分野で、ステュアート・ブランド以外の理論家や実務家の手によって、応用、更新されています。

 デザイン・イネーブルメントが取り扱う領域は、主にデジタルネイティブなプロダクトを提供する、または、提供したいと考えている企業であるため、ここではその活動について詳しく考えたいと思います。

事業活動におけるペース・レイヤリング

 企業活動には、多様な活動が含まれますが、非常に単純化した考え方をすれば、「経営」「事業」「プロダクト」「プロジェクト」の4段階に分けることができます。ペース・レイヤリングの考え方に基づけば、経営がもっとも動きが遅い「方針」などを取り扱い、プロジェクトがそういった方針に基づいた日々活動と捉えることができます。

補助的な役割としてのデザイン

 デザイン・イネーブルメントにおけるデザインは、対象とする領域が非常に広範囲になります。例えば、下図で示すように、企業活動における戦略、財務、技術、マーケティング、情報・データ、人事、法務などさまざまな領域での活動をサポートする補助的な役割の存在として、デザインを位置付けることができます。つまり、理想論としては、企業活動におけるあらゆるレイヤー・領域で、それぞれの主体が行う活動の結果を「より良い状態」に効果的・効率的に到達させることをデザイン・イネーブルメントでは目指しているのです。

デザイン・イネーブルメントにおけるデザインが対象とする領域
クリックすると拡大します

 これまでは、デザイン経営やデザイン思考など企業活動におけるデザインの活用の主体には、デザインやデザイナーという存在がありました。デザイン・イネーブルメントにおいては、あえてデザインを行為の主体にするのではなく、補助的な役割へと転換することで、デザインが持つ本質的な倫理性や価値観の枠組みを押し広げ、企業活動全体での活用を高めようとしています。

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この記事の著者

本村 章(モトムラ アキラ)

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