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デザイン・イネーブルメントによるDX推進

デザイン活用の成熟度から考える「デザイン・イネーブルメント」──組織規模の違いや属人性の発揮とは?

第3回

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 前回は、ビジネスをより良い状態に少しずつ何度も改善を繰り返す「デザイン・イネーブルメント」が対象とする活動や態度について紹介しました。加えて、組織においてデザイン・イネーブルメントを実現していくために欠かすことのできないデザイン組織に触れ、そこで必要とされる活動領域についても取り扱いました。今回は、これまでに紹介した考え方を用いながら、デザイン・イネーブルメントを実現するための具体的な道筋を「デザイン活用の成熟度」を軸に考えていきたいと思います。

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デザインの進化から考えるデザイン・イネーブルメントとは

 今回はまず、前回(第2回)、前々回(第1回)でも解説した「デザイン・イネーブルメント」に関して、おさらいをしていきます。

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 現代のデザインが生み出す代表例である「デジタルプロダクト」では、ユーザーの環境が常に変化します。また、それに呼応するようにデザイン活動も変化しなければなりません。プロダクトを提供する側は、デザイナーやデザイン組織以外にも多くの関係者が、デザインプロセスに関わります。

 第1回の記事では、「シニア世代に使いやすい体験を提供したいという目標がある場合、必要なデザイン活動は何でしょうか?」という問いを提示し、その回答から「デザイン・イネーブルメントとは何か」を解説しました。

 シニア世代に使いやすい体験を提供する側のメンバーは、シニアのユーザーに対して実際にインタビューを行い、改善のアイデアを具体的に抽出します。チーム全体としては、そのアイデアの実現可能性や効果を評価し、それを実装し、結果を検証します。組織としては、これらの取り組みから得られた知見を蓄積し、他の課題にも適用できるように整理します。

 デザイン活動は、個人だけの活動からチームへ、組織へと循環する動きをみせています。この一連の流れこそ、デジタルネイティブなプロダクトを支えるデザイン活動であり、この状態を実現することが「デザイン・イネーブルメント」だと説明しました。

関係者と対話し、具体化して試し、正しいものを正しくつくる

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 第2回の記事では、組織で「デザイン・イネーブルメント」を実践する、具体的な解説を行いました。

 デザイン・イネーブルメントにおける活動と態度として、関係者と対話し、モノやコトの具体化を通じて試し、正しいものを正しく作る努力を行うごことが重要だと説明しました。不確実で、複雑さにあふれた文脈の中で、逆に心を躍らせながら新しい提案を行える態度こそ、デザイン・イネーブルメントによって目指すべき状態であり、適用すべき対象なのです。

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 そして、今回あらたに解説する内容と関係するのが、第2回の後半に解説している部分です。それが「デザイン・イネーブルメントの段階」(上図)です。組織にソフトスキル的なデザインが浸透した状態を表すレベルを、「わかるようになる(レベル1)」「できるようになる(レベル2)」「あたりまえになる(レベル3)」としました。自社組織のデザイン浸透度を診断するために、このレベルの整理は役立ちます。

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この記事の著者

本村 章(モトムラ アキラ)

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