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デザイン・イネーブルメントによるDX推進

なぜ“デザイナー不在”であった地銀がデザインを活用できたのか──「デザインの具体化」という最初の一歩

第4回

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 これまでの第1回〜第3回までは、デジタルネイティブなプロダクトにおける新しいデザインの在り方としてのデザイン・イネーブルメント、それらを個人や組織としてどのように取り入れ、活用していくのかについて紹介しました。今回はこれまでの内容をふまえ、デザイン・イネーブルメントの最初の一歩となる「デザインを具体化する」という観点での実践とその効果について、地方銀行である「池田泉州銀行」の事例なども交えて説明をしていきます。

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デザイン・イネーブルメントにおける“デザインの具体化”とは

 今回取り扱うデザインの具体化とは、第2回で紹介したデザイン・イネーブルメントにおける3つの活動の中の1つ、「具体化して試す」の“具体化して”という部分に当てはまります。

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次に、「具体化して試す」で、これはつまり頭の中で思い描いているものを可視化するということです。可視化の手法は、付箋でも、議事録でも、ホワイトボードでの落書きでも、スライドのポンチ絵でも構いません。個人、または、チームの頭の中にあるものを可視化し、お互いの共通理解を図ること、想像している未来を見えるようにすることが、ソフトスキル的なデザインが発揮できる本質的価値の1つです。(第2回より引用)

 上記の引用では、どのような手段でも良いので主体の中で思い描いていることをアウトプットし、可視化することが重要だとしています。ただ、デジタルプロダクトのようにユーザーとのインタラクティブ性があり、様々なユースケースが想定される複雑な構造をもつ場合、この具体化が必ずしも1つのアウトプットと限られるわけではありません。デジタルプロダクトの開発には、調査、企画、デザイン、開発、テスト、リリースという基本的なステップがありますが、この中で「デザインを具体化する」とは、主に企画段階でのアイデアやコンセプトをデザインに落とし込む活動を指します。この定義は一般的に正しいとされていますが、実際の業務ではこれらの基本的なステップ以外でもさまざまな場面でデザインの具体化が求められます。

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 例えば、企画段階でユーザーがサービスを利用するシーンをチームメンバーでイメージしやすくするために、サービス・ロールプレイ(演劇技法)を行うことがあります。また、ユーザーがプロダクトのコンセプトを受け入れるかを検証するために、コンセプトを紹介するためのランディングページ(LP)を作成することも考えられます。企画段階でユーザーの観点を具体化するだけでなく、社内ステークホルダーを説得するための材料として、実際の画面イメージの制作も重要です。このように、デザインを具体化する活動では「より好ましい状態」を実現する上で必要となる、ユーザーからのフィードバックを得たりチーム・ステークホルダーとの認識合わせをするために、様々な粒度でのアウトプットをすることが欠かせません。

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この記事の著者

村上 雄太郎(ムラカミ ユウタロウ)

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