石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社 TBM(本社:東京都中央区、代表取締役 CEO:山﨑敦義、以下 TBM)と神奈川県(県知事:黒岩祐治)は、SDGsへの貢献及び持続可能な循環型まちづくりを目指し、LIMEX のアップサイクルを通じたサーキュラー・エコノミー(循環経済)を推進する「かながわアップサイクルコンソーシアム」を発足致します。今後、本コンソーシアムに参加する神奈川県内の自治体・企業・団体のパートナー、22団体と連携してLIMEX製品を使用、回収、再製品化するパートナーを拡充していきます。さらに、LIMEX製品の回収モデルを含めたアップサイクルのスキームを構築することにより、世界の循環型経済の先行的モデル(資源循環システム)を確立できるよう推進してまいります。
<アップサイクルとは>
サステナブル(持続可能)な「モノづくり」の新たな方法論のひとつ。従来から行われてきたリサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを最終的な目的としています。
■ 背景
急速に進む海洋プラスチック問題やSDGsへの貢献など、環境・社会問題への対応が求められています。世界では資源循環の視点からケミカルやマテリアルリサイクルが重要視されており、また、有害廃棄物の定義や輸出入を規定する国際条約「バーゼル条約」において、汚れたプラスチックごみを同条約の規制対象とする改正案が採択されたことにより、日本国内でもプラスチックの資源循環に向けた体制整備が進んでいくことが予測されます。
TBMが開発する石灰石を主原料としたLIMEXは、水や木をほぼ使わずに紙代替製品を、石油の使用量を減らしてプラスチック代替製品をつくることができます。さらに、LIMEXはLIMEXシート(LIMEXをシート状に成膜したもの:紙代替製品)からプラスチック代替製品の原料となるLIMEXペレット(LIMEXをペレット状に製造して加工したもの)を高効率につくることが可能な(石灰石は熱劣化が少ない)ため、環境負荷を低減したアップサイクルが可能です。またLIMEXを通じて、SDG12「循環型の消費と生産」を中心とする8つのSDGsのゴールに貢献することができます。一方、神奈川県は、内閣府地方創生推進事務局から「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に認定されました。また、鎌倉市由比ガ浜でシロナガスクジラが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが発見されたことを契機に「かながわプラごみゼロ宣言」を発表し、積極的にプラスチックごみの削減に取り組むなど、環境に配慮した取り組みが進められています。昨年、TBMと神奈川県はアップサイクルのモデル実証事業の展開に向けて、神奈川県内の自治体・企業・団体をパートナーとして募集するコンソーシアム設立に向けた事務局を設置し、コンソーシアム発足の準備を進めてまいりました。
■取り組み内容
本コンソーシアムの発足に向けて、神奈川県内の自治体・企業・団体のパートナー 22団体に賛同いただきました。今後、本コンソーシアムでは、LIMEXの資源循環に関する数値目標を設定、LIMEXの「使用」、「回収」、「再製品化」の各プロセスでの具体的な稼働に向けた検討を進め、各プロセスのパートナーを拡充していきます。また、LIMEX製品の回収モデルを含めたアップサイクルのスキームを構築しながら、それらの取り組みを発信する情報発信プラットフォームを構築していきます。さらに、神奈川県内に、回収したLIMEX製品を再製品化するための機能を兼ね備えた「アップサイクルテクノロジーセンター(仮)」の設置を検討しています。環境負荷の低い再生LIMEX製品の普及を拡大させることから、経済性を担保したアップサイクルモデルを可動させ、神奈川県のアップサイクルモデルが、世界の循環型経済の先行的モデル(資源循環システム)として確立できるよう推進してまいります。
①「使用」プロセス
LIMEX製の名刺やメニュー表、MAP、広告制作物などの紙代替製品と、バックライトフィルムや袋、食品トレーなどのプラスチック代替製品の導入を進めていき、神奈川県内でのLIMEX製品の普及による環境負荷低減に貢献していきます。
②「回収」プロセス
再製品化拠点までの回収費を抑えるために、低コスト回収モデルを目指し、参加団体の輸送・回収プロセスにおけるLIMEX製品の回収や、県内での回収ポイントを増設するなど、効率的な回収・再資源化の仕組みの構築を検討していきます。
③「再製品化」プロセス
アプリケーションのカテゴリーとして日用品、生活用品、産業資材などの射出成形品に加えて、神奈川ならではの地域産品としての製品化も参加パートナーと連携しながら検討していきます。
<2019年5月29日時点 参加団体(順不同)>
・神奈川県
・一般社団法人横浜青年会議所
・公益社団法人日本青年会議所 関東地区神奈川ブロック協議会
・神奈川県中小企業団体中央会
・鎌倉市
・葉山町
・鯖江市
・大日本印刷株式会社
・凸版印刷株式会社
・日本郵便株式会社
・リコージャパン株式会社
・株式会社崎陽軒
・三菱鉛筆株式会社
・株式会社ニフコ
・朝日オフセット印刷株式会社
・株式会社大川印刷
・ロイドレジスタージャパン株式会社
・プロトラブズ合同会社
・株式会社グローバルイノベーションズ
・株式会社アクロス
・プランティオ株式会社
・株式会社ピリカ/一般社団法人ピリカ
本取り組みを推進するにあたり、「かながわアップサイクルコンソーシアム」への参加を、引き続き受け付けております。参加希望、お問い合わせは、下記URLよりお願い致します。
【URL】 https://tb-m.com/kanagawa-upcycle-consortium
■新素材「LIMEX(ライメックス)」について
[ LIMEXとは ]
・ LIMEXは炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・ 2013 年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014 年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む30か国以上で登録済。
・ 2015 年、宮城県白石市に年産 6,000 トンの LIMEX を製造する第一工場を建設。
・ 2016 年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
・ 2017 年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
・ 2018 年、COP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)に日本政府代表団として参加
・ 2019 年、経済産業省の「G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合」における『持続可能かつ包摂的な成長に貢献する国際ビジネス事例』に選定
[ 紙の代替として ]
・ 通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約 20 本、水を約85トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使 用せず、石灰石 0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替製品(LIMEXシート)1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みの LIMEX の紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)
[ プラスチックの代替として ]
・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂 100%であるが、LIMEX では主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ LIMEXは、石灰石を主原料に石油由来樹脂と構成されているが、石油由来樹脂を100%バイオ由来、かつ生分解性の素材に置きかえた生分解性LIMEXの検討を開始。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を製造することが可能。(LIMEXのアップサイクル)
[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。
■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山﨑 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :107 億 4,480 万円(資本準備金含む)/ 2019 年 2 月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/
*本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
株式会社TBM