ストックマークは、製造業に従事する先進的な取り組みに関心を持つ従業員339名に「製造業における生成AIの活用とセキュリティ状況」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
調査概要
- 実施期間:2024年3月5〜15日
- 実施対象:製造業に従事する先進的な取り組みに関心を持つ従業員339名
- 実施方法:メール配信によるオンラインアンケート
生成AIサービスの導入状況を尋ねた質問では、「既に導入済み」と答えた回答者が全体の約67%に上り、多くの企業で既に何かしらの生成AIサービスを導入済みであることがわかった。ビジネスシーンの中でも製造業における生成AI導入の動きは特に活発であることがわかるという。
企業で導入されている生成AIサービスを尋ねた質問では、「対話型の生成AIサービスなど一般向けに提供されている生成AIツールを利用できる状態にしている」「それらツールを自社システムに組み込んで利便性/利用機会を向上させている」企業が主であることがわかった。一方で、「社内情報との連携」「特定業務に特化した生成AI適用」といった高度な活用まで進んでいる企業は少数であり、業務での本格活用はこれからであることが明らかになった。
「文書の作成」「要約の生成」「業務上の調べ物」など、業務における生成AIの活用用途は多岐に渡る。しかしながら、業務における生成AIの利用頻度を尋ねた質問では「数日に1回程度」という回答が最も多く35%、次いで「それ以下・使っていない」という回答が30%という結果に。また、生成AIを日常的に活用しているが、1日に複数回活用するような積極的な活用層は約21%と、生成AIが導入されていてもビジネスシーンにおける利用定着に関しては、いまだ課題として残っていることがわかった。
問3で尋ねた「生成AIの利用頻度」についてさらに分析するために、問2で尋ねた「導入されている生成AIサービス」ごとの利用頻度を見てみると、「社内情報の検索・活用」が可能な生成AIサービスが導入されている回答者の利用頻度は、その他の生成AIサービスの利用頻度と比較しても日常的に活用している割合は約68%と、7割近い回答者が生成AIを業務に活用できていることが明らかになったという。
多くの企業で生成AIが導入されている一方で、わずかな情報の活用のみにとどまっている企業が大半の中、高頻度で活用されている「社内情報の検索/活用」の導入・検討状況について尋ねた質問では「検討中である」と答えた回答者は約65%と、多くの企業が社内情報と連携した生成AIサービスへ期待を寄せていることがわかった。
生成AIや社内情報の活用に向けた大きな壁である「セキュリティ」について尋ねた質問では、クラウドサービスを利用するにあたって「プロセスやチェック項目が定まっている」と答えた回答者は約84%にも上り、多くの企業でクラウドセキュリティに関するガバナンスが浸透していることがわかる。
しかしながら、半数以上の回答者が定められた社内申請プロセスやセキュリティチェック項目に対して「抵抗感が高い(ハードルや負荷が高い)」と回答。その理由を「手続きや社内調整にかかる時間や負担が大きい」と回答しており、セキュリティ関連の社内手続きに負担を感じる社員が多いことがわかったという。