プロフェッショナルバンクは、上場企業または従業員1,000人以上の大手企業の人事責任者・担当者を対象に、「上場・大手企業の女性活躍推進の実態」に関する調査を実施した。
「上場・大手企業の女性活躍推進の実態」に関する調査
- 調査期間:2024年3月21日(木) ~ 2024年3月22日(金)
- 調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
- 調査人数:1,011人
- 調査対象:調査回答時に上場企業または大手企業の人事責任者・担当者であると回答したモニター
- 調査元:プロフェッショナルバンク
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
管理職の女性比率「10%未満」が最多、人事・総務・経理など管理部門が多い傾向
上場企業または大手企業の人事責任者・担当者に、「会社の女性社員(正社員)比率」について質問したところ、「30%以上~40%未満(28.0%)」という回答が最も多く、次いで「20%以上~30%未満(27.9%)」「40%以上~50%未満(15.0%)」と続いた。
30%以上~40%未満という回答が最多となった一方で、10%未満という企業も一定数いたという。
また、「会社の管理職における女性比率」については、「10%未満(26.6%)」という回答が最も多く、次いで「10%以上~20%未満(26.1%)」20%以上~30%未満(21.6%)」という結果に。
これにより、女性管理職比率が30%未満の企業は、7割以上にも上ることがわかった。
さらに、「会社で女性管理職が最も多い部門」については、「人事(18.3%)」という回答が最多で、次に「総務(16.0%)」「経理(12.0%)」と続いた。
9割以上の企業が女性管理職の登用時に「既存社員の昇進」を優先する一方で、女性活躍推進のメリットは「女性社員の採用促進」
「女性管理職を登用する際に優先させていること」という質問には、9割以上が「既存社員の昇進(91.4%)」と回答したという。
「女性活躍・定着の取り組み」については、「出産・育児へのサポート(49.5%)」という回答が最も多い。次いで「社内の意識改革(44.6%)」「多様なキャリアを選べる仕組みづくり(36.4%)」と続き、制度の充実と意識改革の両面から取り組みを推進していることがわかった。
次に、「会社にとって女性活躍を推進するメリット」を質問したところ、「女性社員の採用促進(38.6%)」という回答が最多となり、次いで「女性視点でのイノベーションや商品開発の促進(37.3%)」「企業イメージのアップ(32.2%)」と続いた。
女性管理職を登用する際は、9割以上が「既存社員の昇進」を優先する一方で、女性活躍推進のメリットは「女性社員の採用促進」という回答が最も多くなっている。背景として、管理職に登用できる女性社員自体が少ないことがあげられるという。
上場・大手企業の7割以上が「2030年までに女性管理比率30%以上を達成できる」と回答
「2030年までに女性管理職比率30%以上を達成させることはできるか」の問いに対し、7割以上が「とてもそう思う(27.3%)」「そう思う(47.3%)」と回答。
また、「女性活躍を推進するために必要だと思うこと」については、以下の回答があった(自由回答より一部抜粋)。
- 経営陣の意識改革が必要(30代/男性/青森県)
- 待遇改善と職場環境改善(50代/男性/栃木県)
- ライフステージに合わせて女性職員へのサポートを地道に行っていくこと(50代/男性/東京都)
- 出産、育児などでキャリアを中断せずにチャレンジできる男女双方の意識と感謝の制度の充実(50代/女性/東京都)
ライフステージに合わせた女性社員へのサポートや待遇、環境の改善、さらには社員だけではなく経営陣の意識改革も必要だと感じていることがうかがえるという。
令和4年度雇用均等基本調査では、企業の課長級以上の管理職に占める女性の割合は12.7%となっているが、本調査より、自社の女性活躍推進の取り組みを評価している企業が多いことがわかった。