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新規事業を成功に導く“営業力”

大企業が直面する新規事業の営業課題と成功戦略

第1回

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 大企業が新規事業を立ち上げる際、企画や開発が順調に進んでも、エンドユーザーに製品やサービスを届ける「売る」段階でつまずくことが少なくありません。新規事業が軌道に乗り、成功へとこぎつけるためには、営業活動が非常に重要な要素となるのは明らかです。営業コンサルティングと営業代行をハイブリッドで提供しているGrand Central社の代表として、大企業が直面する課題や克服方法について、それらを上手に克服している事例も踏まえて考察します。

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大企業が抱える新規事業への課題

 多くの大企業も、元をたどれば一人の起業家が作った「新規事業」から始まっています。しかし、長い年月を経て大企業へと成長した企業の多くは、新規事業を生み出しづらい環境になってしまっています。では、どのような課題が大企業における新規事業を難しくさせているのでしょうか。以下の3つの課題が挙げられます。

1.人材や資金を新規事業に配分しない

 特に大企業では、稼ぎ頭である既存事業にリソース(特に人材や資金)を集中させる傾向があります。軌道に乗るかどうかわからない新規事業にリソースを割くことが難しいのは容易に想像できます。経験上、企画や開発では優秀な人材が新規事業にあてがわれることもありますが、営業に関しては人手がかかります。そして、新規事業にトップ営業を配置することは稀です。このため、営業活動が手薄になり、良い製品やサービスを開発しても市場での知名度を高める前に姿を消してしまうことがよくあります。

2.市場を理解できていない

 新規事業のターゲット市場は、既存事業と異なる場合が多くあります。そのため、従来のマーケットインサイトが通用せず、新しい市場を深く理解し、その特性に合わせた戦略を立てることが困難になります。本来であれば、営業活動などを通じて市場の反応を見ながら戦略を立てたり、調整したりする必要がありますが、前述の人材不足から営業活動がうまく行われず、それが叶わないことも多くあります。

3.内製への過度なこだわり

 昨今ではこういった傾向はかなり少なくなっていますが、大企業ほど何でも自社で内製しようとする傾向があります。多くのヒト・モノ・カネ・情報が集まる大企業では、自社のリソースだけでなんとかしようと思えばできてしまいます。しかし、「外部に頼らず内製したい……にもかかわらず、できれば既存事業のトップセールスはアサインしたくない」という矛盾するサイクルが生まれがちです。

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この記事の著者

北口 拓実(キタグチ タクミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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